クトルゥフ神話TRPGシナリオ


黒野ネロ作


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【推奨人数】2人〜3人
【所要時間】2時間〜
【推奨技能】目星 医学 機械修理 鍵開け 図書館
【シナリオ形式】クローズドシナリオ
【シナリオ舞台】現代、志をもつ職業のPLが望ましい <忘却の淵> (設定) 探索者たちは『皮膚の兄弟団』というカルト教団に洗脳され、信者となって奉仕していた。 教祖と団員たちは『皮膚なきもの』を召喚すべく長年準備をし、ついに儀式を執り行うことになった。 だが探索者たちは徐々に洗脳が解け、儀式の邪魔をし逃亡しようとしたところを捕まり、『記憶を曇らせる呪文』をかけられ幽閉されてしまった。 儀式は行われたが、 事前に探索者たちが呪文書を取り替えたおかげで失敗、だが生贄と司祭、団員たちの命を奪いに皮膚なきものは降臨していた。 失われた記憶を取り戻し、建物から無事に脱出出来ればクリアです。 @特殊ルール(頭痛ロール) 呪文の効果により、探索者たちが『自分と教団に関する記憶を取り戻す』行為を行った場合(目星、図書館、オカルトなど)激しい頭痛が襲います。 サイコロ成功でMPが1減少、失敗やファンブルは減少なし、クリティカルした場合はそれらの技能は記憶が戻るまで使用不可能となります。 成功失敗に関わらず技能でわかることはありません。 成功しても記憶が戻ることはありません。以降、完全に記憶が戻るまでこのロールは継続させて下さい。 ・RP開始前に、人数分のダイスを振り、1人を探索者Aとします。  探索者Aは服のポケットに小さなカギを持っています。 @導入パート ひんやりとした固い石の感触であなたは目を覚まします。 薄暗い石造りの部屋で、倒れていたようです。まわりにはあなたを含む◯人(探索者たち+1)の人間がいるようでした。 ぼんやりとした意識の中で、得体の知れない不安感に襲われました、あなたは自分の名前以外なにも覚えていませんでした。 頭の中が霧がかっているようなモヤっとした倦怠感が全身に覆いかぶさっています。 ゆっくりと体を起こすと、他の人間たちも同じように体を起こしているのが見えました。一人を覗いて。 その一人は、水たまりの中に倒れていて微動だにしません。 徐々に目が薄暗さに慣れ、鼻も感覚を取り戻すと、その理由はすぐにわかりました。それは水たまりではなく、血だまりでした。 鉄錆のような血の臭いが辺りに充満しています。 自分の身になにが起きたのか、この人は誰なのか、あなたたちは恐怖で凍りつきます。SANチェックです<1/1D4> @探索 RP開始 *事前に提示された持ち物はなにも持っていません。 *刺繍は皮膚の兄弟団の紋章です。紋章について『オカルト』などで調べる発言があった場合は頭痛ロールです。 ・自分について調べる  服装は全員真っ白いチュニックのようなものと、真っ白いパンツ、裸足です。胸元に何かの印が刺繍されていることに気がつきます。 *『アイデア』を行うといった発言があった場合は頭痛ロールを行って下さい。 *自分について確認するだけであれば、怪我などは無いようです。 *トイレにあるメモを書いた探索者Aは内ポケットに小さなカギがあることに気づきます。 ・辺りを調べる  部屋は石作りになっていて窓などはなく、壁に小さな松明が三つ灯っているだけです。(松明は持ち運べます)  天井は高いのか、上を見上げても漆黒の闇が広がっているだけで部屋の高さはつかめません。  同様に部屋の奥の方も暗がりでよく見えません。 ・死んでいる男を調べる  血の海に上半身裸の男性がうつ伏せで倒れています。男も血まみれです。 *『医学』胃の辺りにおおきな傷口があり、胃が摘出されていることに気付く。そしてその傷口は今までに見たことがない、皮膚が溶けたような  不思議なものであることがわかる。 ・部屋の奥を調べる  辺りは生物が腐ったようなひどい臭気がたちこめていますが、奥にいくにつれそれは強くなっていくように感じます。  部屋の隅にゴミのようなものが積まれ山になっていました。近くで見てみようとした時、ぶにゅっと何かを踏んでしまいました。  足元を照らすと、それは人の手でした。肘から下が千切れた手です。生々しい感触を素足の裏で直に感じ取ってしまいSANチェックです。(0/1D3)  そして、ゴミのようにみえたそれは人間の死体の山でした。放り投げられたかのように無残に積み重ねられたいくつもの死体を目撃してしまったあなたは  SANチェックです。(1/1D4+1) *『医学』屍体について調べてみると、どれもみな体に穴を開けられていたり、体の一部が千切れたりしてることがわかります。 ・扉  屍体の山のそばに、金属で出来た扉があります。鍵穴などは見当たりません。  @牢屋へ進みます @牢屋  扉をあけると、同じように暗い石畳の通路が続いています。左側は石壁になっており、松明がひとつ、ゆらゆらと不気味な影を作っています。  通路の右側は、頑丈そうな格子がはめられている部屋のようになっており、まるで牢屋のようだとあなたは感じます。 *RP開始 *牢屋Aの位置からは廊下の突き当たりは暗くて確認出来ません。牢屋Bまでいけば奥に扉があることがわかります。 @牢屋A 格子の向こう側に人が倒れているのが見えます。  近づいてみると、男性(30代)であることがわかりました。呼びかけても返事はありません。体をゆすろうと触れた瞬間、その冷たさに  思わず手をひっこめてしまうでしょう。死んでいる、あなたはそう直感します。 ・男性について調べる  よく見ると、男性は左足がありませんでした。 *先ほど『医学』に成功していれば、傷口が同じように皮膚がとけて固まったような状態だとわかります。 *移動しようとした場合は『聞き耳』判定して下さい。成功で隣の方から女性のうめき声のようなものが聞こえます。 @牢屋B  格子の向こうに、人がうずくまっているようです。うめき声もそこから聞こえてきます。*話しかけても返事などはしてくれません。  近づいてみると、女性は顔から頭にかけて包帯をぐるぐる巻きにされています。雑に巻かれた包帯の隙間から、目、鼻と口がかろうじて覗いています。 *兄弟団によって顔の皮膚を剥がされています。その儀式に参加していたのが探索者なので、女性は探索者の顔をみると後ずさりし、恐怖に怯えた声で発狂したのち死んでしまいます。 「ぎゃああああ!!!ひ、ひ、、ひひひふが、ひふふひひふがあああ!!!!」 ・女性について調べる  包帯の隙間から見える箇所は皮膚がなく、筋肉組織がみえていることがわかります。包帯を全て取るとSANチェックです(0/1)   @一階廊下  扉を開けると、そこには蛍光灯で照らされた明るいコンクリートの廊下が続いています。窓などはありません。  無機質な廊下には左右に二つずつ扉があります。扉にプレートがあるので、扉の前までいけば詳細がわかります。 手前から『実験の間』『書庫』『監視室』『トイレ』『祈りの間』です。廊下の突き当たりは上へと続く階段のようです。 @実験の間  扉をあけると、そこは病院の手術室のようでした。左側には長机と薬棚、右側には洗い場、中央には手術ベッドが4台並んでいて、そのうちひとつには  白いケープがかけられています。ベッドの下には血だまりが出来ており、辿っていくとそれはケープの内側から滴り落ちているようでした。 ・部屋全体  『医学』or『アイデア』で一見手術室のようですが、専門的な道具などは何もないことに気づきます。 ・ベッド  ケープがかかっていないベッドには、血のようなものがこびりついています。  もう一つのベッドを調べるという発言があった場合『アイデア』を振ってください。成功でそのケープは内側から赤い液体が染みており恐らくそれは血であること、  そしてケープが形作る膨らみから察するに恐らく人間が横たわっている、ということを思います。やけにリアルな恐ろしい想像をしてしまい  背筋がぞっとしたあなたはSANチェックです。(0/1)  ケープをめくるとそこには腹部を切り裂かれた血まみれの成人男性の遺体が横たわっています。顔は苦痛に満ちた表情で歪んでしまっています。  おぞましい遺体を目撃してしまったあなたはSANチェックです。(0/1D3)  『医学』で腎臓のあたりが切り裂かれており、摘出されていることがわかります。 *『目星』で ・「長机」からはファイルが見つかります。 ・「薬棚」からはビタミン剤がひとつ見つかります。幸運で成功で人数分(飲むとSANが3回復します)あってもいいです。 ・「洗い場」からは濡れた紙切れが見つかります。 @カルテ  それは顔写真つきのカルテが入ったファイルです。一枚目にはこの遺体の人物の生前の顔写真、被験者366、30歳、腎臓、臓器転移と書かれています。  二枚目には別の男の顔写真が貼ってあります。『アイデア』成功でそれがベットで亡くなっていた男性の顔写真ということに気がつきます。  被験者365、24歳、左足、身体転移という記載の下には更に写真が貼ってあり、その写真からは男性がランナーだったことが伺えます。  そしてその後ろにも数十枚に及ぶ見知らぬ男女のカルテがあります。  『アイデア』でそこに書かれた人たちが皆容姿端麗であったり、なにかしらのスポーツに従事していた人間や体格の良い若者であることに気がつきます。  二枚目には別の男の顔写真が貼ってあります。『アイデア』成功でそれが牢屋で亡くなっていた男性の顔写真ということに気がつきます。 *牢屋Bの女性のカルテもあってもいいかもしれません。 @濡れた紙切れ  日本語で書かれたメモのようです。濡れていて文字が滲み、部分的にしか読むことが出来ません。  『‥‥本…かくし…儀式…』 @書庫  扉に触れると、あなたは突然酷い頭痛に襲われます。(*警告です。POW対抗ロールとなり、失敗でMP1減少)  扉を開けると、その部屋にはたくさんの本棚が並んでいます。記憶が戻っている探索者が入室する場合は頭痛なしです。  棚は4つあり、どれもびっしり本が並べられています。 *自分やこの施設に関する本を調べる『目星』『図書館』は頭痛ロールです。 *一つの棚につきざっと調べるのに40分かかりますが、どのような内容の本があるか分かるでしょう。 *そこから適当に本を取る場合は『幸運』判定してください。各棚から一冊ずつ見つけられます ・『皮膚の兄弟団の掟』と日本語で書かれた分厚い本です。  「皮膚の兄弟団の輝かしい歴史は西暦330年のコンスタンティノープルから始まった。現在のトルコ、イスタンブールであるが、ここに  我々の本拠地が存在する。そしてヨーロッパ全域は勿論のこと、アメリカ、ロシア、アフリカ、スペイン、中国、そしてここ日本にも  拠点を置く一大勢力となったのだ。  我々の繁栄のために、団員は生贄を皮膚なきものに捧げなくてはならない。生贄の供給こそが真の務めである。   模範的な団員はこの世のものとは思えないほどの幸福感で満たされるであろう。それは今までの人生では味わうことは決してない多幸感なのだ。」  以降は延々と皮膚の兄弟団が如何に素晴らしく、優れているか、そしてこの掟が絶対的であるというような事が書かれています。   ・『SKINLESS ONE(神との接触)』と書かれた英語の本です。  神との接触は我ら皮膚の兄弟団の司祭しか執り行うことが出来ない。非常に神聖なものである。  我らは神を、尊敬と畏敬の念を込めて『皮膚なきもの』と呼ぶ。  団員たちは神の本当の名前を口に出してはいけない。それほどまでに神は超自然的で、尊く、偉大な存在なのである。  儀式には人間の死体が必要となる。それも今皮をはいだばかりの物で無くてはならない。  また捧げる死体が多ければ多いほど、皮膚なきものは喜んで我らの前にその御姿を現して下さるだろう。  万が一儀式が失敗してしまった場合には、生贄と同じ数だけ我らの魂を差し出さねばならない。それほどのリスクを背負ってもこの儀式は執り行わねばならない。  それが兄弟団の永遠の繁栄のためには不可欠なのだ!  儀式が成功した暁には、全能な皮膚なきものが無知な我々に甘美な答えを授けて下さるだろう! ・『ようこそ新しい兄弟たちよ!』と書かれてある薄いパンフレットのようです。  めくってみると「あなたも永遠の美しさを手に入れてみませんか?」や「若い肉体を手に入れていつまでも若々しく、輝く人生を謳歌しよう!」 「病気になっても大丈夫、神は新しい体をあなたに与えて下さります」  といった見出しとともに、体験者の声として不治の病で医者から見放されていたが、皮膚の兄弟団に入信して神の奇蹟により病が完治した、だの  事故で半身不随になってしまったが一夜にして回復した、だの様々な記事が掲載されています。 ・『広辞苑』ケースから出してパラパラとめくってみると、それは確かに広辞苑です。  ですが、中盤にさしかかるとページの真ん中が四角くくり抜かれ、中に小さな本が埋め込まれているのをあなたは見つけます。  取り出してみると、表紙は漆黒の皮のような素材で出来ており、手に持った瞬間、まるで本が指に吸い付いてくるような不思議な感覚を覚えます。  表紙には鈍く光る赤色のインクで『NAMELESS CULTS』と書かれています。  これを読むのにかかる日数は30週間です。失われる正気度ポイントは<1D8/2D8>です。そして『クトゥルフ神話技能』に+9%されます。   @トイレ  男子トイレと女子トイレがあります。両方のトイレには手洗い場、個室が2つと掃除用具入れがあります。 *トイレの掃除用具入れにはメモが隠されていますが、どちらのトイレでもいいです。手洗い場や個室には何もありません。  このメモは探索者の一人が書いた物です。誰にするかはKP判断で。 ・掃除用具入れ *カギがかかっています。そのカギはメモを書いた探索者Aが持っています。  ドアをあけると、モップや箒、バケツなどの掃除用具が置いてあります。ドアの内側には小さな鏡がかかっています。  鏡に『目星』or『アイデア』で鏡が傾いており、ドアとの隙間から小さなメモ紙を何枚か見つけます ・メモ  「自分がしていることに違和感を感じてしまうことが増えた。忘れないようにメモしておこう」   「彼らのやっていることは間違っている。あんな酷い事を…。私は洗脳されてたんだ、バカだ、どうしよう。」  「私以外にも洗脳がとけた人がいた。彼らと協力してここから逃げなきゃ…でもどうしたら?」  「司祭がとうとう皮膚なきものとの接触を試みるらしい。阻止しなくては。」  「儀式に必要な本の不完全版を書庫でみつけた。これを使えば計画を実行できるかもしれない」 *メモを読み終わると探索者の一人が頭痛を催しPOW対抗ロールとなります(0/1)。そして以下の記憶を取り戻します。 ・このメモを書いたのが自分であること ・いつからかは覚えていないが『皮膚の兄弟団』というカルト教の団員となっていたこと ・兄弟団は新興宗教を語り、裏で違法な移植手術や誘拐、人身売買に臓器売買を行っていたこと ・同じように洗脳が解けた他の二人とともに脱走の機会を探っていたこと *儀式の当日に何が起きたかは覚えていません。   @監視室 *モニターに映し出されている映像は教団が『皮膚なきものの招来』を試みた瞬間で止まっています。「B1儀式の間」のカメラは皮膚なき物が降臨した際に故障してしまっています。  4畳ほどの狭い部屋にはたくさんのモニターと色々なスイッチが並んだ機材デスクがあります。モニターにはモノクロの映像が映っており、それぞれ別の場所を  写しているようです。それぞれのモニターの横には「B1儀式の間」「B1廊下」「B2実験の間」「B2書庫」「B2廊下」「ゴミ処理場」と書いてあります。 ・「B2実験の間」*既に行っていれば説明は省いて下さい。病院の手術室のような部屋です。白いケープがかけられたベッドが4台並んでいます。 ・「B2書庫」本棚が並んだ部屋のようです。 ・「B2廊下」廊下です。 ・「ゴミ処理場」倒れているあなたたちが映っています。 ・「B1廊下」外の廊下と同じような作りの廊下です。廊下の途中に大きな扉と、奥に上へ続く階段が見えます。 ・「B1儀式の間」このモニターだけが砂嵐になっていて何も映っていません。 『目星』で映し出されている映像の隅に日付があり20XX/2/16 0:20とあること。映像が止まっておりモニターが壊れていることがわかります。  『機械修理』があれば成功で30分、失敗で1時間をコストに修理出来ます。 @修理後のモニター  なんとか修理出来ましたが、ハードドライブにはカメラが壊れた時刻から4時間前の映像までしか残っていませんでした。4時間前から早送りで映像を確認出来ます。   ・「B2実験の間」担架のようなものに裸同然の人間が乗せられ、団員たちによって次々に部屋から運びだされていく様子が映っています。   行き先は儀式の間です。 ・「B2書庫」何名かの団員が出入りをしたあと、21:15に探索者Bが部屋に入ってきました。キョロキョロ辺りを見回し、部屋に人が  いないのを確認しているようです。そうして、本棚の前でカメラに背を向けてしゃがみこみ何かをしているようです。 ・「B2廊下」21:00 探索者Cが監視室の扉をノックしているのが映っています。中から団員が出てきて少し会話したあと、団員が出て行き、   代わりにCが監視室入っていきました。   21:10掃除用具を手にしたBとAが祈りの間の前にやってくる。Bが入室、Aはドアの前を掃除しはじめた。   21:15Bが退出、書庫の方に向かう。Aはトイレに向かう。 21:20Bが書庫から出てきて、廊下の奥に歩いていきました。   21:30紫色のローブのようなものを羽織った人物が祈りの間に入っていく。   22:00団員たちが部屋の前に集まり出す、探索者たちの姿もみえます。   22:20ローブの人物が出てきて、団員たちになにかを話している。突然、白い煙のようなものがその人物から巻き上がり、探索者たちを   包み込みました。次の瞬間、探索者たちはその場に倒れこんでしまいました。 ・「ゴミ処理場」22:30、団員たちに抱えられた探索者たちが部屋に放り投げられるのが確認出来ました。 ・「B1廊下」22:40 紫色のローブの人物と団員7名がぞろぞろと列をなし、儀式の間に入っていくのが確認できます。  それ以降は人の出入りはありません。そして0:17 カメラが小刻みに震えはじめました。0:18 その揺れは徐々に大きくなります。  0:19 その瞬間まるで地震でもおきたかのように、カメラが大きく揺れました。そして0:20 カメラは止まってしまいます。 *『アイデア』でローブの人物が見覚えのある本を手にしているのに気がつきます。 ・「B1儀式の間」データが破損していて修復不可です。 @祈りの間 *教祖の部屋です。 部屋には細かい模様が織られた絨毯、書斎デスク、壁には何かの模様が描かれたタペストリーが飾られています。 ・「書斎デスク」*特にみつかるものはありませんが、探索の難易度に応じて探索のヒントになるような書物を仕込んでもいいかもしれません。 ・「タペストリー」白い光沢のある生地に高級感のある紫色の糸で模様のようなものが刺繍されています。  *『アイデア』で探索者たちの服の刺繍と同じ模様であることに気がつきます。裏側を調べると隠し扉があり、金庫になっています。 ・「隠し金庫」金庫にはカギがかかっています。*『鍵開け』に成功で開きます。  中には真紅のベルベット素材で出来た箱がおいてあり、その中心には四角い凹みがあります。 *『アイデア』なにかが収められていたのではないかと思います。広辞苑の中身を確認していれば、その凹みと小さな本のサイズが似ていると気づきます。 @B1廊下  下の廊下と同じような作りの廊下です。廊下の途中に大きな扉と、突き当たりに階段が見えます。 ・大きな扉  細やかな彫刻が施された両開きの大きな扉です。 *彫刻を調べると、それは自分たちの服の刺繍と同じ皮膚の兄弟団の紋章でした。 *鍵はかかっていません。人の気配もありません。  扉を開けると、生ぬるい空気と共に血なまぐさい臭いが鼻をつきました。中は中世の建物を思わせるような石造りの広いドーム状の部屋です。  中央には石でできた長方形の台座のようなものが放射状にいくつか並んでいて、その上には赤黒い何かが横たわっているのが見えます。  そして床にも、何人か人が倒れているのが見えました。 ・石の台座  台座は8つあり、その全ての上に皮を剥がれた屍体が寝かされています。その余りに残酷な、冒涜的な光景を目の当たりにした探索者は  SANチェックです。(1/1D6)  ・床に倒れた人々  数名の人間が倒れています。一人は濃い紫色のローブのようなものを着た高齢の男性です。男性の顔は、何か酷く恐ろしいものを見たかのような  驚きと苦悶が混じり合ったような表情で固まっています。瞳孔は開ききっており、瞳に光はありません。  ローブの胸元には金糸で兄弟団の紋章が刺繍されています。  『アイデア』で彼が司祭であることを思い出します。 *体を調べると、鍵が二つ付いたネックレスを見つけます。*ひとつは隠し金庫の鍵、ひとつは地上への扉の鍵です。  このまま出口に向かう場合はエンディング2へ *他の人間は自分たちと同じ白い服を着ています。数を数えるといった発言があった場合、司祭含めて9人が倒れています。 *司祭以外の人間を調べると、8名は司祭と同じ苦悶に満ちた表情でこと切れていますが、ひとりだけ血色の無い顔で眠るように倒れている人間がいます。 *『アイデア』監視カメラで見た人数とここにいる人数が違うことに気がつきます。 ・突き当たりの階段  登っていくとそこには錆びた鉄製の扉がありました。鍵がかかっています。(鍵開け不可) *鍵は教祖が所持しています。ここから地上に脱出できます。記憶の謎をとく前に脱出した場合、バッドエンドです。 ・人数の違いに気づいた場合  次の瞬間、その寝ている人物がまばゆい光に包まれ、探索者たちは思わず目を瞑ってしまいます。  どこからか声が聞こえました。それは、声というよりかは、音に近いような、耳から聞こえるものではなく、脳内に直接流れ込んでくるようなものでした。  *声の主はニャルです。話しかけても答えてはくれません。  『せっかく混乱と恐怖を与えてやったのに、もうおわりか。お前たちには必要無いようだな。』  『愚かな人間たちから代償は頂いた、もうここに用は無い。あとはお前たちの好きにしろ。』  目をあけると、先ほどの人物の姿はなくなっています。 エンディング1へ   ・エンディング1 *トゥルーエンド 夜 重い扉を開くと、外は木々に囲まれており、ちょうど空がから朝へと姿を変えようとしていました。柔らかな朝陽の一筋が、探索者たちを照らします。  ゆっくりと深呼吸をすると、体がふっと軽くなり、それまで自身を包んでいた閉塞感から解放された気がしました。  施設を背に木々の中を進むと、私道に出て、やがて助けを呼ぶことが出来ました。  それから、探索者たちの通報のおかげで、『皮膚の兄弟団』と名乗るカルト教団の非人道的な違法行為が世に知れ、  警察の大規模な捜査が及ぶこととなりました。それは日本のみならず世界にも知れ渡る一大事件へと発展していくのでした。  その後、探索者たちは元の仕事に復帰します。自分の経験をもとにより志高く職務を全うするという気持ちで。  ですがふとした瞬間にあなたは思うのです。世の中には人智を超えた何かが、人間の想像力などでは計りし得無い何かが確実に存在する。  そして自分はほんの少し、指先で、その爪のほんの先で、そっとそれに触れてしまったのだと、引き返すことの出来ない世界に足を踏み入れてしまったのではないか と、そう、確信するのでした。  クリアボーナス SAN値回復(2d6)、技能成長(セッション中技能に成功すれば、その技能の成長チャンスが得られる。? セッション後ダイスを振り、1D100>技能値を出せば、1D10技能が成長する。? 成長チャンスは、成功回数に関係なく、1セッション1回である)、クトゥルフ神話技能1% ・エンディング2   手に入れた鍵を鍵穴の差しこむと、カチャリ、という音がして重い扉を開くことが出来ました。その時、探索者たちに声が聞こえました。   それは、声というよりかは、音に近いような、耳から聞こえるものではなく、脳内に直接流れ込んでくるようなものでした。  『なんだ、もう行ってしまうのか。』  『もっと楽しませてくれると思ったのだが‥まあいい。人間というのは混乱と恐怖を求める種族だと思っていたが   お前たちは違うみたいだな。愚かな人間たちから代償は頂いた、もうここに用は無い。あとはお前たちの好きにしろ。』  外は木々に囲まれており、ちょうど空が夜から朝へと姿を変えようとしていました。柔らかな朝陽の一筋が、探索者たちを照らします。  ゆっくりと深呼吸をすると、体がふっと軽くなり、それまで自身を包んでいた閉塞感から解放された気がしました。  施設を背に木々の中を進むと、私道に出て、やがて助けを呼ぶことが出来ました。  それから、探索者たちの通報のおかげで、『皮膚の兄弟団』と名乗るカルト教団の非人道的な違法行為が世に知れ、  警察の大規模な捜査が及ぶこととなりました。それは日本のみならず世界にも知れ渡る一大事件へと発展していくのでした。  その後、探索者たちは元の仕事に復帰します。自分の経験をもとにより志高く職務を全うするという気持ちで。 時々あなたはあの『声』のことを思い出します。あれは一体なんだったのか。  ですが、そんな問いもまた、慌ただしい日々の生活にかき消されていつしか忘却の淵に沈んでいってしまうでしょう。  クリアボーナス SAN値回復(1d6)、技能成長 ・バッドエンド   がむしゃらに森を走り抜け、たまたま通りかかった地元民に助けてもらうことができた。   だが、覚えているのは自分の名前だけ、今まで自分がどこにいたのか、どこからやってきたのか、何も思い出すことが出来ませんでした。   三人の成人男性が同時に記憶喪失となって森に現れたという話は、一部のオカルト雑誌のページの隅を賑わしましたが   やがてそれも他の湧いては消えるウワサ話が取ってかわり、世間からも忘れ去られてゆくでしょう。   あなた自身を忘却の淵から救うすべは、もうないかもしれません。   記憶を取り戻していない状態で施設から出ると、呪文の効力によって教団に関する記憶や自分との関わりを永遠に思い出せなくなります。   後遺症「特定の記憶に関する障害」   自分が何者であるか、ということを後々思い出せるかどうかはGM判断にお任せします。  ☆☆☆ シナリオ解説   皮膚の兄弟団とは「皮膚なきもの」という神を崇拝する宗教団体です。教祖は魔術書などから得た力で身体部分の転移、臓器の転移、肉移植   を行い、移植手術や美容整形などの名目で金を巻き上げていた。健康な体を持った人やスポーツ選手、見目麗しい男女を拉致誘拐してドナーとしていた。   探索者たちはそれぞれの目的をもって兄弟団の陰謀を暴くため潜入捜査していたが、徐々に洗脳されてしまう。   だが志が強かったために、少しずつ洗脳が解けてきた探索者同士で陰謀をくいとめようとします。   その方法は「皮膚なきもの」の招来の儀式に必要な『NAMELESS CULTS』という本を偽物(不完全版)と入れ替える、というものです。 偶然、書庫でこの本の不完全版を発見した探索者の一人はこの作戦を思いつき、監視室から監視係を追い出すor交代する役、本を入れ替える役、   入れ替えている間の見張り役、に分かれて作戦を実行しました。   作戦は成功しますが、洗脳が解けはじめた事を疑われた探索者たちは呪文をかけられ幽閉されてしまいます。      『皮膚なきもの』は実はニャルラトホテプの化身です。   招来の儀式は、本が不完全だったために失敗してしまい、教祖と団員たちは生贄として殺されます。   中途半端に降臨した皮膚なきもの(ニャル)は他にも生存者(気を失っている探索者たち)がいることに気づき、彼らが狂気に落ちる様を   愉しんでから還るのも悪くはないと思い、事の顛末を見届けることにしました。ようは暇つぶし。 


シナリオ忘却の淵 用 画像素材
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制作者クレジット
<シナリオ:黒野ネロ>
<ロゴ・教団マーク画:Re>
<皮膚亡き者画:アワラギ>
<HP管理者:アワラギ>






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