【推奨人数】2人〜4人
【所要時間】4時間
【推奨技能】目星 図書館 地質学 オカルト
【シナリオ形式】クローズド(集落)
【シナリオ舞台】1980年(探索者は1980年代の人物であること)
●文字化けしているところがあるのでテキストファイル・画像等DLしたい方はこちら。
<コドクノヒト>
@シナリオ概要
*シナリオの真相
はるか昔中国の華南地方から移り住んできた呪詛使いがいた。彼らは『蠱毒』という
禁忌の術を生業としており、その邪悪さから迫害され人里離れた山奥でひっそりと暮らして
いた。呪者の末裔達は偶然この地に眠るクトーニアンの卵を見つけてしまい、孵化した幼虫
と自分たちの子供を使って人蠱の儀式を行い、おぞましい力を手に入れてしまう。
以降自分たちの害となる人間を呪い殺し、力を維持していくために、かなきみ村を作った。
探索者の友人である上田は旅行でかなきみ村の近くを通りがかった際にクトーニアンの
テレパシーにかかり、無意識のうちに生贄となる人間達を連れて再度この地にやってきた。
探索者達は上田と友人であったばっかりに、恐ろしい出来事に巻き込まれてゆく。
村には呪詛使いの末裔である華瑛子、月子がおり、残りの人間達は彼女らに奉仕するだけの
存在にすぎない。村は非常に閉鎖的で下界との接触はほぼゼロに等しい、彼女達には世間一般
の常識なども通用しないため、彼女達を改心させる等のことは不可能である。
時間の経過とともに探索者達もクトーニアンのテレパシー支配や、蠱毒にかけられる可能性が
あるため、探索者は隠されている車と鍵を見つけ村から無事に脱出しなければならない。
@人蠱、蠱毒について
・華南地方に住むごく一部の少数民族の中に『蠱毒』という呪詛を生業としている者たちがいた。
『蠱毒』とは旧暦の五月五日(ムカデ、蠍、蛇といった禍々しい生き物が活発になる『五毒出没の日』
と言われているため)に百種の虫を壷に入れ、互いに食らわせ最後に残った一匹を呪詛の媒体に用い
る、といった中国古来の邪術の一種である。
標的となる人を呪い殺し、財産を奪う事ができる。ただし蠱毒を飼い続けることは非常に危険を伴う。
何故ならば巫蠱は少なくとも一年に一度、人を呪い殺さねば呪い返しで死んでしまうからだ。
また、巫蠱は代々女が継ぐしきたりとなっており、蟲術の修行によって不妊になる為養子を取る必要
があった。故に蟲師の一族は多くの富を得るも結果的に滅びることも多かった。
このように非常に強力な効果があったため、時の権力者たちはその力を恐れ、蠱毒を使った者・使おう
とした者は死刑に処すという法令が定められた。
・『人蠱毒』とは虫の代わりに人間を使った蠱毒の一種。華家の人間がクトーニアンの卵を見つけたこ
とからこの術が完成した。子供たちをクトーニアンの巣に放り込み、クトーニアンに取り込
まれた者が人蟲になり、生き残った者が巫蠱の養子(次の継承者)になる。
人蠱毒は第一脱皮段階のクトーニアンを用いる(成虫になると手に負えないため)人蠱が完成したら
奈落に閉じ込めておく。呪詛には人蠱の排泄物を用いる、それを燃やして灰にしたものを食べ物に
混ぜて標的に食べさせる。約15年間は人蠱を閉じ込めておけるが、16年目頃からは第3脱皮段階に入る
ため、その手前で(地中に)解放しなくてはならない。クトーニアンの怒りを買わないために人間を生贄に捧げて
いる。
@集落の歴史について
正確には分からないが、1860年頃に華南から日本に移り住んできた一族がいた。彼らは禁じられた邪術
を生業としていたが、その禍々しく強大な力を恐れた権力者から迫害された。
彼らは国を追われ、死に物狂いで逃げついた日本の山奥で暮らし始めた。人目を避け、その日暮らしの
貧しい生活だった。だがそのうち豊富な薬の知識を活かして漢方を作り、里で売り始めるとそれが徐々
に評判となっていった。
ある時、里の長者の一人息子の病気を治したことで、始めは見知らぬ人間に警戒心を抱いていた里の者
たちも彼らに心を許し、何か困った事があると彼らを頼るようになっていった。
だがその評判を妬んだ他の薬問屋に在らぬ噂を立てられ、またしても里を追われる羽目になる。
里の人間たちは手のひらを返して罵声を浴びせ、石を投げ、一族の家を燃やし、虐げた。
唯一生き残った一族の女はこの世を憂い、嘆き、そして憎んだ。憎んで憎んで憎んで、遂に気が狂れて
しまった。そうして禁忌の術、『人蠱』を完成させてしまう。
女はその術で薬問屋を殺し、彼らに罵声を浴びせた人間も全て呪い殺した。唯一残された長者の息子
は自ら首を吊って死んだ。そうして里に残された僅かな子供達を奴隷として女は自らの理想の集落を築
いていった。
◆登場人物 (NPC)
・上田 亨(年齢は探索者に合わせる)
探索者の友人。幼少期の家庭環境が原因で精神的に少し不安定なところがあり、自己肯定感が低い。
その事を隠すために普段は明るくおちゃらけたキャラクターを演じ、誰からも好かれるよう
勤めている。自分のことを好きと言ってくれる異性や友人にすがりがちで、その心の弱さから
既にクトーニアンのテレパシーの影響下にあり、集落に生贄となる人間を連れていくため旅行を
計画したが本人はそのことに気付いていない。
・華 瑛子(32)
月子と星子の母。容姿端麗。集落以外の世界を知らない。
自身も幼い頃に蠱毒の儀式で生き残り、巫蠱になった。前の呪者が早くに亡くなり、若くして長とな
る。表向きは集落の漢方医。自分たちの生活に何の疑いも持っていないが、外部の人間を欺くためにか
弱い未亡人を演じている。異常なまでの冷酷さと残虐性を持つ月子を恐れている。
・華 月子(10)
双子の妹。蠱毒の儀式で生き残り術者となる。
下界を知らない狂人である。他の人間は自分が強くなるための犠牲者としか思っておらず、犠牲者=
友達、と教えられてきた。外部の人間には非常に愛想が良く、純粋な子供を演じている。
世間一般の善悪の価値観などは持っていない。儀式以降、精神が破綻しており、非常に狡猾で残虐な人
格。(元々サイコパスだった可能性もあるが、儀式がトリガーになって狂人になった)
蠱毒に関することは他人に喋ってはならないという教えがあるため、一切話さない。星子のことについ
て尋ねても、『いなくなっちゃった』としか言わない。
瑛子に対しても、自分を押さえつけようとする邪魔な存在と思っている。瑛子を殺して早く自分がこの
村を牛耳りたいという衝動があり、探索者を利用しようと試みる。
・華 星子(享年9)
双子の姉。蠱毒の儀式でクトーニアンに取り込まれ人蠱になった。鍾乳洞の最深部に閉じ込められてい
る。星子の人格は完全に無くなっている。
クトーニアン第一脱皮段階〈STR16 CON19 SIZ18 POW10 装甲2 HP 18 最大温度150℃ 耐久力再生1〉
・山野 武史(65)
華家以外の村人をまとめる相談役。表向きは集落の長。
この村で生まれ育ちかなり強くテレパシーの影響を受けていて、華家に絶対的な忠誠を誓っている。
華家に対して畏怖と自分は下々の中でも特別扱いされている、という感情を持つ。
鍾乳洞の管理も任されている。表面上は愛想が良いが華家や村のことについて詳しく聞いても決して
真実は言わない。クトーニアンのことは地中深くにいる華家の使い魔、という認識。見たことはない。
最近狩猟に出た際に足を骨折してしまい、重労働は息子の敦史に任せている。敦史は体も細く臆病な
性格なので何とかならんかと思っている。
・山野 敦史(23)
武史の息子。華奢な青年で臆病な性格。武史に命じられて探索者たちの様子を時折監視している。
・村川 泰治(39)
大学の准教授。人文学、中でも中国文化について研究していた。
三ヶ月前に仕事と趣味を兼ねた旅行で集落付近にやってきた。その際にクトーニアンの『人をおび
き寄せる呪文』により瑛子の幻を見せられ集落におびき寄せられてしまう。
以降、瑛子への好意テレパシーの影響で集落で暮らしている(その事に関して本人は何の疑問も持って
いない)地味で真面目な性格。子供の頃から勉強熱心で、仕事以外の人付き合いはほぼ無い。
@導入 1980年の設定
探索者たち(車を運転するため18歳以上が望ましい)と友人の上田(NPC)は6月16〜19日(金土日月)
の連休を利用してS県の温泉地へ車で二泊三日の旅行をすることになった。※自家用車
目的地はかなり山奥にあり、知る人ぞ知る隠れ家旅館として有名です。
*はじめに店などに寄って買い物などしてOKです。
*?PC同士の会話を挟む。
一行はどんどん山道を進んでいきます。次第に道が細くなり、対向車ともほとんどすれ違わなくなって
きました。青々とした樹木が鬱蒼と生い茂り、窓の外を見ると自分たちが山の上の方まで
来ていることがわかるでしょう。
*?時刻は14時過ぎです。
しばらく車を走らせると、道路の右側の景色がむき出しの山肌に変わってきました。岩や土が崩れてい
る箇所がいくつも見受けられます。天気も曇りになってきた。*?過去の地震の影響です。
そしてカーブを曲がった先に古そうなトンネルが現れました。
★強制イベント 地震
トンネルを出た瞬間、突然グラグラと車体が大きく揺れ始める。
※クトーニアンが引き起こした地震です。
【運転】
成功→車をうまく制御して停止させることが出来た。
失敗→ガードレールにぶつかり車は大破する。〈SANチェック0/1〉
更に全員【幸運-10】で失敗すると怪我を負います〈1d3〉。
※車は判定結果に関係なく故障して動かなくなります。車の持ち主は〈SANチェック0/1〉。
車を停めて外に出ると、地面が大きく揺れており、上から大小の岩が山肌を転がり落ちてきているのが
目に入る。次の瞬間、ボンネットに大きな岩が落ちて車体が潰れる。
揺れはしばらくすると治り、振り返ると今通ってきたトンネルは土砂崩れによって完全に塞がれて
しまっているのがわかる。
*?目的地までは車であと2時間以上かかる。
★上田が脇道に古びた看板を見つける『星空と鍾乳洞の里 かなきみ』地図や文字がかなり掠れて読み
にくいが、ここから徒歩30分くらいの所にあるらしい。
かなり鬱蒼とした山道を進んでいく。かすかに人が通った轍のようなものがあり、確かに人が往来して
いるのだろうと思うでしょう。そうしてひたすら山道を歩き続けると大きく曲がった道の先、山の急斜
面にへばりつくようにいくつか民家があるのが見えます。
@かなきみ集落
田んぼや畑があり、家は数えられるほどしかなく、そのどれもが昔ながらの日本家屋といった
雰囲気だ。軒先に干し柿が吊るしてあったり、茅葺の屋根の家もある、日本の原風景に哀愁を感じる
だろう。辺りを見回しても人がいる様子はありません。
★【目星】遠くの納屋のような建物の影から、一人の子供がこちらを見ている。(月子です)
話しかけようとすると、走って逃げていってしまいました。
そうすると道の奥から浅黒く日焼けした初老の男性がやってきてあなた達に声をかけます。
『あらあらあんた達、どっから来たの?』『えらい大変な目にあったんやなぁ大丈夫かい』
☆【目星】片足を少し引きずっている。猟に出た時に転んで怪我をしてしまったらしい。
*?この男性について
名前は山野 武史。着古された長袖のシャツに農作業用のズボン、色あせたベージュ色のキャップを
被っている。中肉中背。この集落の長。
*?この村について
地図にも載らないくらいの小さな集落。村民は50人程で自給自足の生活をしている。
*?子どもについて
『子ども?ああー、そんぐらいの年の子だったら華さんトコの月子ちゃんやろねえ』
*?外部との連絡手段について
村に電話は一つしかなく、華さんという方の家にあるらしい。そこは民宿も兼ねているから案内して
くれる。
@華家
案内されたのは集落の一番奥にある一際大きな日本家屋。かなり古びてはいるが立派な門構えがある。
『瑛子さーん、ごめんくださーい!』
奥から出てきたのは、寂れた集落に似つかわしくない若くて美人な女性だ。
『あらあら、山野さんどうされたんですか?その方達は?』
武史『旅行にきた途中で地震の落石で車故障してしまったんだと、トンネルが土砂で埋もれて動けん
くなったみたいですわ。』
瑛子『確かにさっき大きな地震がありましたけど、そのせいでトンネルが?まあ、それは大変、どうぞ
上がってください。電話使ってください。』
山野は『よかったよかった。ほんじゃあ瑛子さんまた後ほど』と言って戻って行きます。
※瑛子は愛想が良く、親切なキャラクターを演じて下さい。
*?この女性について
名前は華 瑛子。代々この集落で漢方医をしている家の跡取り。娘の月子と二人暮らし。
自身の両親が亡くなった後は、山野が親切に身の回りの世話をしてくれている。
*?移動手段について
車は誰も持っていないんですよ。日用品なんかは週に一回移動販売が来てくれるのでそれで
購入しています。(次来るのは一週間後)
*?観光について
看板にも描いてあるんですけど、鍾乳洞があるんです。なかなか大きい規模の鍾乳洞で
地質学とかの大学の偉い教授先生とかも調査に訪れたりしてるんですよ。
*?子どもについて(親子関係は希薄なので、『娘』『うちの子』と言った発言はしません)
女の子が一人います。『さっき外に行くのが見えたから、多分あの子だと思います。』
*?仕事について
『うちは代々漢方医の家系なんです。このあたりで取れる漢方の材料を調合して、万病に効くお薬を
作ってるんですよ。先祖代々受け継いできた伝統と知識を大事にしているんです』
*?この集落で生まれ育った?
『そうですね、うちの家系はもうずっとずっとずっと昔からこの集落とともにあるので、私も
その伝統を守ってゆくつもりです。』
『他の方達も同じです。ここで生まれて、家族を作り、暮らす、それ以上に幸せなことってあります
か?』
*?電話を借りる
母屋の居間にある電話を借りて警察に電話することができる。安全な場所で待機して
いて下さい。状況を確認して折り返しご連絡します、と言われる。
この段階で16時過ぎ。
※1時間後くらいに折り返し電話イベントを発生させる
・瑛子との会話
『折り返し連絡があるまでここに居て頂いて大丈夫ですよ。お茶でも淹れますね』
『うちは小さいですけどお客様用のお部屋もありますし、しばらくは宿泊予約も無いです
から道が開通するまで泊まってもらって大丈夫ですよ。』
宿泊を進めて宿泊所に案内する。
※探索者の警戒心を会話で解きつつ瑛子の好印象を植えつけたい。
★ジリリリリリという電話の音が鳴る。
・警察『ご連絡遅くなって申し訳ありません。色々状況をお調べした結果、そちらまでの道が土砂崩れ
によってかなりダメージを受けているようでして、トンネルの復旧作業も合わせて一週間はかかるか
と…』 ※基本何もしてくれません
@宿泊所
屋敷の中庭に離れがあり、そこが宿泊所となっている。6畳ほどの和室が4部屋、風呂場がある。
トイレは母屋のを共同で使うので、裏口の鍵を渡される。※地図参照
それぞれの部屋に布団が一式ずつ置いてある。
『どうぞ御好きに使って下さい。急なことで今あるものでしかご用意出来ないんですけど、後でお食事
もご用意しますね。18時頃に母屋の客間でご用意します、渡り廊下の先が客間になっていますから。
何かあれば呼んでくださいね。ではまた後で』
と言って瑛子は母屋に戻ってゆく。
★【アイデア】※アイデアの値が一番高い人→成功で、上田の様子に違和感を感じました。
このような突然の状況にも関わらず、とても嬉しそうに見えます。
※クトーニアンのテレパシーの影響、無自覚ですが集落に戻ってこれて嬉しく思っているため。
『え?そうかな?だって考えても見てよ、あんなに危ない目にあったのにこうやって寝る場所も
食事も用意してもらえるなんて超ラッキーじゃん!それにあの瑛子さんて人、すげー美人だし!』
以降、夕飯までは自由時間となります。現在時刻は16時過ぎです。
一つ行動するごとに内容によって30分から1時間を消費します。
@風呂場
室内風呂です。いつでも入浴可能です。
@華家 母屋
*?夕飯前
※夕飯前は母屋の中は客間と台所、居間以外は探索不可です。
PLが探索しようとした場合、山野や瑛子と遭遇させて阻止させる。
@母屋への渡り廊下
きちんと手入れされた中庭が見えます。小さな池や苔むした灯篭、幾つかの木が植えられている。
@客間
8畳くらいの広さの和室です。床の間には鯉が泳ぐ掛け軸と、花が生けられている。
隅に座布団が積まれている。
客間の隣からは、夕飯の支度をしているのであろうトントンと小刻みにまな板を叩く包丁の音や
味噌汁のほのかな香りが鼻腔をくすぐる。その嗅ぎ慣れた匂いに、条件反射的に思わず探索者たちの
お腹がグーっとなるだろう。
@台所と居間
すりガラスがはめ込まれた引き戸を開けると、無垢のフローリングの部屋があり小さめのダイニング
テーブルが置いてある。左奥が台所のようで、瑛子が慣れた手つきで夕飯の準備をしています。
その横には山野武史が何かの生き物の肉を捌いているのが見えました。※キジです。
PCに気づいた瑛子は『あら、いま準備してますからもうちょっと待って下さいね』と言って忙しそうに
しています。
山野『もうちょっと辛抱してくんさいねぇ!昨日獲れたキジでキジ鍋作ってあげっから!』
『ほっぺた落ちるよ?!』
☆【博物学】【知識?20】狩猟期間は法律によって10月から4月と決められているので、この時期に
狩をするのは違法ではないか、と気づく。
*?夕飯後
客間への扉は鍵がかけられている。用件がある場合は扉横に備え付けられている電話(内線のみ)
を使用する。
@集落の中
*?夕飯前
※特にイベントはありません。PCが村人を探すようであれば、いても構いませんが話す内容は
当たり障りのないことだけです。
のんびりとした田舎の景色が広がっている。
*?夕飯後
外は日が沈んですっかり暗くなっており、明かりといえば月と星の光とまばらな民家の明かりだけだ。
周りは山で囲まれているため、目を凝らしても闇があるだけだ。
チリリリリ、という虫の鳴き声と、湿度を帯びた空気が辺りを包んでいる。
★【聞き耳】ふと、誰かに見られているような気がした。
☆【2回目の聞き耳】視線を感じた方角を見ると、暗闇の中を走ってゆく人影が見える。
【目星?10】大人の背格好だった。
【追跡?20】姿を追うと民家に駆け込んで行く姿が見えた。表札を見ると、『山野』と書いてある。
※山野武史に命じられて監視している息子の敦史の視線です。
@鍾乳洞 資料館
宿泊所から徒歩5分ほどの場所に、鍾乳洞資料館と書かれた看板がある建物がある。
資料館とありますが、外観は小さな公民館のような感じだ。
※山野武史が管理しています。17時以降は閉館のため入れません。【鍵開け】可能。
◆イベント 夕飯
※食事の中に蠱毒が仕込まれている。
客間の襖を開けると、座卓の上に人数分の食事が用意されてる。炊きたてのご飯、きのこの味噌汁
彩豊かな小鉢のおかずが2?3種類あり、中でも目を引くのがグツグツと湯気を立てる土鍋に盛られた
鍋料理だ。非常に食欲をそそる匂いがしている。
*?瑛子
『お待たせしました。素朴なものしかご用意出来なかったんですけど、メインは山野さんが
持ってきてくださったキジを使ったキジ鍋です。みなさん今日はお疲れでしょうから、遠慮せず
どうぞ、たくさんお召しあがり下さいね。』
『山野さんもお手伝いありがとうございました。』
*?山野
『味の方はどうやね?美味しいやろ?』
『そういやあんた達警察はなんていうとったの?』『そんなに時間がかかるんか、まあでも不幸中の
幸いってやつやねえ。ここにたどり着けんかったら、今頃山で遭難しとったかもわからんわ』
PCが食事を終えたタイミングで襖が少し開き、小学生くらいの女の子(月子)が少し恥ずかしそうに
こちらを覗き込んでいる。
※聞かれれば自己紹介をして下さい。PCに興味がある振る舞いをして下さい。
PCたちの名前、どこに住んでいるか、関係性について質問したり。あくまで控えめに、シャイな感じが
望ましいです。
軽く会話をしていると、瑛子がお盆にお茶を乗せてやってくる。
『あら月子、ダメでしょ、お客さんの食事の邪魔をしちゃ』
月子は顔を背けて無言で部屋を出て行く。
『ごめんなさいね。若いお客様が珍しかったからお話したかったのかも』
『私が調合した漢方のお茶です。みなさんお疲れでしょうから、滋養強壮にいい漢方を選びました。
お口に合うといいんですけど』
味は渋いお茶、いろんな葉っぱの味がする。
*?村に同年代の子がいないのか
『同い年の子はいないんですよ。』
*?会話例
『そうですねえ、ここには自然が豊かで、夜は星空がとても綺麗ですし、大きな鍾乳洞もありま
すよ。なかなか大きい規模の鍾乳洞で地質学とか大学の偉い教授先生とかも調査に訪れたりしてるんで
す。』
『もし行かれるなら山野さん家に寄ってください、鍾乳洞は山野さんが管理して下さってますの
で。山野さんの家はこのそばの赤茶色の瓦の家です。』
◆イベント 夜
探索者達が部屋にいると、瑛子が訪ねてくる。
『お休みになられている所にごめんなさい、明日は何時頃に朝ごはんをご用意しましょう?』
『今日は大変な1日だったと思います、ゆっくり休んで下さいね。』
と言って瑛子は部屋を去る。
★眠りについたらクローズドでPOW5の対抗ロール、失敗で翌日蠱毒の症状@がでる。
毎晩やること。一度発症したものは時間経過で症状進行する。
*?深夜
CONが一番低い探索者は、トイレに行きたくなります。(ミニ懐中電灯あり)
トイレに向かうと、あたりは真っ暗なのですが、途中の物置の高窓からぼんやりと明かりが漏れている
のに気が付く。
・見る
*?SIZが男PC13、女PC17以上で窓を覗ける。
そっと覗くと、薄暗がりの中で、こちらを背に立っている女性の姿が見えた。
※黒っぽい服を着ている。部屋の様子は暗くてよくわからない。
その足元には、土下座のような格好で地面に顔を埋めている男性がいる。
★【聞き耳】『さあ、顔をあげなさい。これで今よりかは楽に歩けるようになるわ』
と言って女性が手に持っていた椀を床に置くと、男は一心不乱にその椀の中身をすすり始めた。
目の前で繰り広げられている怪しい光景に驚いた探索者は【SANチェック0/1】
・見ない
特に気にせず部屋に戻って寝て、朝を迎える。
@二日目 6/17(旧5/4) 自由探索
※前夜POW対抗に負けた探索者は蠱毒の症状@が出ます。別メモ参照。
朝はご飯、お味噌汁、焼き魚、漬物が用意される。
*?瑛子との会話
『おはようございます。昨日はよく眠れましたか?』
『昼食用におにぎりを用意しておきましたから、どうぞお持ちになってください。』
『皆さん今日は何をされるんですか?といっても、自然を見ながらのんびりするぐらいしかできない
ですけれど。』
*?昨晩のことについて問いただしても夢じゃないかとシラを切ります。
※時間の区切りは午前中、お昼、午後、夕方、夕飯、夜で、いくつか行動すると時間が経過します。
夕飯は18時です。
◆イベント 朝昼夜 1日3回のお祈り
@イベント1
村の中央に人々が集まり、地に膝をついてお祈りのような事をしている。
【聞き耳】でお祈りの内容をわからせてもいい。
*?お祈りをしている人に話を聞く
・モブA
『ん?あんたら外の人やね?どうかなさったかい?』
*?何時にお祈りしてるのか
『毎朝仕事を始める前と、昼と、夕方仕事が終わった後だ』
*?お祈りの内容
『フコサマ、フコサマ、今日も無事に生きることが出来ました。ありがとうございます』
『フコサマはこの集落を作った一族の事だ』
『ワシらがこうやって平穏に暮らせるのもフコサマの加護のおかげなんじゃ』
『瑛子様のご先祖様だ』
・モブB
『おい、あんまり無駄口を叩くなよ。さあ、仕事に戻るべ。すまんね、失礼しますだ』
・石碑
★【アイデア】資料館の写真に写っていたのと同じものだと気づく。
130cmほどの高さで、長方形の土台にいびつな丸い石が鎮座している。
石碑の下には村人が供えたのであろう野菜などが置かれている。
☆【目星】
土台部分は蔦植物で覆われているが、その隙間から何か文字のようなものが見える。
よく見ると『華南来民の地にて 牢?血泪仇』という文字が掘られている。
☆【中国語】【知識-30】『深い恨みを決して忘れない』という意味だと分かる
その文字からどす黒く渦巻く怨念のようなものを感じ取った探索者は【SANチェック 0/1】
石碑を見ていると、瑛子がバケツと雑巾を手にしてやってくる。
*?瑛子との会話
『こんにちは、鍾乳洞はどうでした?』
『毎日この石碑を掃除するのが日課なんです、私のご先祖様が建てたものなんですよ』
『みなさんがこうやってお供え物までくださって、ありがたいです』
*?先祖について
『この集落を作って、代々漢方医をしているってことぐらいしか、わからないですね。私の祖母も
母も、優秀な漢方医として集落の皆さんからとても尊敬されていたんです。』
*?フコとは?
『昔から、うちのご先祖様のことを親しみを持ってフコサマって呼んでくださっているんです。
理由なんて考えたこともなかったです。おかしいですか?』
@イベント2
お祈りをする住人を眺める月子と遭遇。
『お祈り見てるの』
*?具合の悪い探索者の顔を凝視する月子
*?どうしたの『ううん、なんでもない』
腹痛の症状が出ていれば
『お腹痛いの?』
@山野家
赤茶色の瓦の家に着くと、玄関の外、軒下の腰掛に座って農具の手入れをしている山野武史が居る。
『おはようさん、よく眠れたかい?』
鍾乳洞の話をすると、ああ、はいはいちょっと待ってな、と言って、家の斜め向かいにある大きな納屋
の方に行き、荷物を持って戻ってくる。
※人数分の懐中電灯
@鍾乳洞 資料館
宿泊所から徒歩5分ほどの場所に、鍾乳洞資料館と書かれた看板がある建物がある。
資料館とありますが、外観は小さな公民館のような感じだ。
『普段はワシら年寄りの寄り合い場として使ってるんだわ』
山野がガチャガチャと入り口の鍵を開け、中に促す。
部屋の四方の壁には額に入った白黒写真や、文字が書かれたパネルの様なものが飾られている。
*?鍾乳洞について
鍾乳洞とは石炭岩が地表水、地下水などによって侵食(溶食)されてできた洞窟であり、ふつう石灰岩
地帯に存在するが、ここの鍾乳洞はその成り立ちに不明瞭な点が多い。
数多くの学者がこの地で研究調査を行うも、昔から地震が頻発する場所で、度重なる災害によって調査
は難航し、ついにはこの謎多き鍾乳洞の全貌が解かれることはなかった。
地下100m、全長は7kmほどあると推測されているが、観光客が入れるのは1,5kmまでとなっている。
地図があり、第一洞、第二洞、第三洞とエリア分けされており、往復で90分ほどを要する、と書かれて
いる。
*?白黒写真
虫塚の建立記念写真と書かれた白黒の写真が額装して飾られている。
洞窟のような場所で数人の人間が並んでおり、中央には石碑のような物が写っている。
オカルト技能成功:虫塚の知識…虫塚は虫の祈祷、慰霊などのために作られたものである。
・石碑
長方形の土台の上に丸い石が載っている。土台部分に何か文字が掘られているようだが、ボケていてよ
く見えない。
・人間
質素な着物を着た大人の女性と、彼女を取り囲むように男性たちが写っている。
★【目星】写真の端に裏にもう一枚紙のようなものが挟まっているのを見つける。
【隠す】と【DEX×5】成功で額を外し、隠された紙を見ることが出来る。
・隠されていた写真
表の写真と同じ場所で撮られた写真のようだが、石碑の隣に立つ女性は飾りがついた黒っぽい羽織の
ような衣装を着て微笑んでおり、その両脇には白い着物を着た3人の子供が並んでいる。
★【アイデア】白い着物は襟が左前になっており、それは死装束を意味することを知っている。
生きている人間、しかも年端もいかぬ子供に死装束を着せて写真を撮るという行為に得体の知れない
不気味さを覚えた探索者は【SANチェック 0/1】
・表の写真について山野に尋ねる
『あー、この写真はねえ、この集落を作った方達の写真だねえ。興味あるの?』
『この方はねえ、瑛子さんのご先祖様なんやわ。ずっと代々漢方医として尽力して下さっとってねえ。
漢方の材料ってのは薬草とかの他にも虫とか色んな生き物も使うらしいんだわ、その薬で集落の人間を
たくさん救ってくださったからなあ。それでその虫やら生き物の供養のために虫塚を建てた時の写真
だって聞いとるよ。』
※裏の写真について聞いてしまうと怒られます。
一通り調べ終わると
『すまんけど、一応維持費として入場料をもらっとるんだが、金額は気持ちでいいから。』
『鍾乳洞の中にはガイド用の電球もあるんやけど、暗いので足元気を付けてなあ…。
滑りやすいからなあ。』
と言って懐中電灯と簡素な地図を配る。
『儂は足怪我しとって付いていけんから、ああ後一つだけ、地図では最深部が行き止まりになっとるん
やけど、実際はもっと奥まで続いとるんだわ。現地にはこれ以上進まない様にって看板が立っとるから
その先は危ないから絶対入らんようにな。滑ってケガでもしたら大変や。』
『儂は家に戻るけど、あんたら戻ってきたら懐中電灯戻しに来ておくれな。』
※資料館の鍵は閉められます。
@鍾乳洞
資料館の後ろの山道を向けると『鍾乳洞はこちら』という看板があり、石段になっている道を10分ほど
登ったり降りたりしていると、鍾乳洞の入り口が姿を現した。湿り気を帯びた奇怪な岩肌は、何か巨大
な生き物が大きく口を開けているかのようです。入り口の先は真っ暗で、異界につながっているのでは
ないだろうかと、柄にもなく想像力を掻き立てられるだろう。
上田『うわあ!なんかめちゃくちゃワクワクするなあ!』
上田は嬉々とした様子で中に入って行きます。
☆【アイデア】上田は鍾乳洞とか自然物にこんなに興味があるやつだったかな?と思います。
*鍾乳洞 第一洞
一歩中に足を踏み入れると、ひんやりとしたとした空気が探索者たちを包みこむ。
中は真っ暗で、懐中電灯であたりを照らすと、天井から巨大なツララの様な形をした石柱が何本も姿を
現す。そのどれも、表面は溶けたようなツヤがあり、懐中電灯の明かりと影が作り出すコントラストは
それらをより奇妙に、不気味に演出している。中は広く、高さは約3mほど、幅は大人4〜5人が
並んでも余裕がある。
数メートルおきに、壁に小さな豆電球がかかっている。
☆【地質学】今まで見てきた石灰の鍾乳洞とは少し石の性質が違うように感じる。
もっと地下深くの石も調べる必要があるかもしれない。
道は緩やかな傾斜になっていて奥へ進んでゆくに連れ、どんどん天井が低くなっていく。
場所によっては少し腰をかがめないと通れないほどだ、そのまま進むと地下へ続く穴が姿を現した。
穴には梯子がかけられている。
上田『すげー!いってみようぜ!』
*?第二洞
長い長いハシゴを降りると、周囲の空気はより一層冷たく感じる。むしろ肌寒く感じる程だ。
明かりを照らすと、そこには広大な地底空間が広がっていた。
★PCとクトーニアンのPOW10と対抗ロールを行う。
失敗→あなたはこの先が非常に気になって仕方がありません。
第一洞よりも数倍も広い空間に、奇妙に曲がりくねった巨大な鍾乳石の群れ。
何よりも目を引いたのは、パッと見ただけでも数百枚はあるだろう、棚田のような奇怪な形をした岩の
集合体だ。
☆【地質学】このような石灰は見たことがない。岩の表面をよく観察し、あなたは一つの答えをだす
全くもって馬鹿げてはいるが、岩の表面が溶けてえぐられこのような形になったのではないか。
だが、マグマなどの自然現象とは到底かけ離れた現象であり、今まで学んできた知識では理解すること
が出来ない現象を目の当たりにしたあなたは【SANチェック 0/1d3】
空間の奥には更に奥へと続く道がある。
*?第三洞
★PCとクトーニアンのPOW対抗ロール(二回目)を行う。
失敗→あなたはこの先が非常に気になって仕方がありません。
二回とも失敗→あなたは無意識のうちに鍾乳洞の奥へ進んで行きます(自制不可)。
☆【精神分析】【組み付き】で制止できる。
★上田は無条件で奥に進もうとします。【組み付き】
道は傾斜のあるトンネルの様になっていて、しばらく進むと看板が立ててあるのが見える。
看板の先にもまだまだ空間が広がっている様だ。
・看板
ここから先立ち入り禁止、と書かれている。
★【POW対抗負けた人】遠くの方で微かに『…けて…た…けて、たす』という声が聞こえた。
こんな場所でいるはずのない人の声が聞こえた探索者は【SANチェック 0/1】
※人蠱が発している音です。
@奥へ進む場合
しばらく進むと(声は徐々に大きくなるが、鳴ってたり止まったりする)明かりが見えた。
たくさんの松明台が等間隔に置かれた空間が姿を現した。奥にはまだ道が四方八方に続いて
いる。しかしそんなことよりも探索者の目を釘付けにしたのは、ぐるりと円形に置かれた松明台の中央
、地面に巨大な口のようにポッカリ空いた直径3mほどの穴だ。松明はゆらゆらと燃え、壁面に不気味
な影を作っている。どうやら声はこの下から聞こえてくる。
@穴の様子
岩が段差の形になっていて下に降りれそうだ。かなり深そうだ。
@下に降りる 最深部へ
岩が溶けて固まった、まるで蝋のような奇妙な形をしている、ようやく地下にたどり着いた。
★【POW対抗負けた人】人の声に混じって、人の声ではない、何か甲高い音や叫び声のようなノイズ
のような音が聞こえてくる。
酷い悪臭が鼻をつく、生ゴミが腐ったような、嗅い
だことのない不快な臭いだ。
道は真横にトンネル状に続いており、進むとドーム状の開けた空間が姿を現す。
そこには、異常な光景が広がっていた。
壁面には夥しい数のおふだのような物が貼り付けられており、地面はまるで深い壺のような形に抉ら
れて、壺の淵に当たる部分や内部にはぐるりと松明が取り付けられている。
奥底には赤黒い汁が溜まっており、そして、松明の明かりを鈍く照り返す何かが、蠢い
ている。揺れ動く触肢と灰色がかった黒光りした汁気の多い長い臓器のような体、まるで巨大なミミズ
のようにも見える。何十本もの触肢は伸びたり縮んだりして周囲の壁をまさぐっている。
そのおぞましい未知の生物を目撃した探索者は
『触肢をもつ地底に棲むもの、クトーニアンの交配種 人蠱』
【SANチェック 1d3/1d10】【クトゥルフ神話技能1%】
★【目星】成功で
恐怖からか、異形の姿から目をそらすことが出来なくなった探索者は、そのねばついた
触肢の根元に、あるはずがないものを見つけてしまう、人の顔だ。
かろうじて確認できる閉じた目や、鼻、口だったもの、幼い子供の顔のような脂肪の固まりはブルブル
と波打ち、触肢の影に見え隠れしている。【追加SANチェック0/1d3】
★再度【POW対抗】勝ったら【アイデア】成功で、何かノイズのような甲高い音のようなものが聞こえ
、それはこの異形の怪物から発せられており、それは音というよりはテレパシーのように自分の精神に
直接伝達されていたことに気がつく。そしてそれが自分をこの地に誘き寄せるための支配的な意識がこ
もったものだということも感じとる。
そのおぞましい生き物は、壺状に削られた地面の底で、自らの体を伸ばしたり縮んだりを繰り返しては
いるが、その場からそれ以上こちらに動いて来ようとはしない。
☆【アイデア】宙を彷徨うように伸縮する触肢が、壁面の松明に触れる瞬間に物凄い勢いで縮んで
行く様から、その生き物は炎を避けているのではないかと思う。
※松明の火を消す場合、クトーニアンの交配種 人蠱との戦闘になる。
@鍾乳洞後に懐中電灯を返す
家の前で山野の名前を呼ぶと、玄関の扉が開いて華奢な青年が姿を現した。
*?この男性について
名前は山野敦史。山野武史の息子です。
*?父親はどこ?
『父は今瑛子さんのお宅に行ってるはずです』
*?鍾乳洞について
『集落の人間はいかないですよ、あそこは私たちにとっては聖なる場所やから。』
*?瑛子について
『あなた達、瑛子さんのお宅に泊まっているんでよね?いつまでいるんです?』
『瑛子さん、美しいですよね。同じ敷地で寝泊まり出来るなんて幸せ者ですね、羨ましい』
*?村川について
『ああ、森の小屋に住んでる人。あのひとは外から来た人やから、瑛子さんに取り入ろうとしてる
みたいやけど、選ばれるのは僕や…』
『あなた達、まさか瑛子さんに選ばれようなんて思ってないですよね?』
※ある程度会話したのち、『僕はやることがあるから、もういいですか』と言って家に戻っていきます。
@民家
非常に簡素な作りの家がいくつか並んでいる。
★【アイデア】瑛子の家と比べるとどれも小さく、ボロい。
@畑
畑仕事をしている集落の人間を眺めている月子と遭遇。
話しかけると、少し困ったような顔をする。
『お母さんが、外の人とお話しちゃダメって。』『家族じゃない人とは、お話しちゃダメなんだって』
『うーん、うーんとね。あのね。お兄ちゃん(お姉ちゃん)は、オトモダチになってくれる?』
*?友達になる
・『本当?嬉しいな!』と言って嬉しそうに笑う。『今日も家にお泊まりするんでしょ?後で月子の
お部屋で遊ぼうよ』『絶対だよ!絶対きてね』『お母さんに見つからないように来てね』
*?答えない、答えを濁す
・悲しそうに俯き、走り去る。
@集落のはずれ 森(時間によってお祈りに行っているため留守にしている)
敦史の監視イベント入れる?★【聞き耳】
森の中に小さな小屋がある。※小窓があっても良い。村川がいます。
髪はボサボサで、メガネをかけた細身の男性。
☆【聞き耳】人の気配がする
・小屋の中
8畳くらいの部屋で簡易ベッド、デスク、ミニキッチンがある。
部屋にはロープが渡してあり洗濯物が引っ掛けられ、元々は倉庫か何かだったのだろう床は埃っぽく
農作業の道具なども転がっている。
・デスク
膨大な紙の束や本が乱雑に置かれている。パッっと見で見える本はどれも『中国の民間信仰』や
『中国文化』に関する本のようだ。
☆【図書館】
古そうなレポートのようなものを見つけた。そこには『S県某所、中国の
華南地方から移り住んで来た一族の集落あり。彼らはフコ(恐らく巫子)と呼ばれる呪術師で、自然の
力を利用し病を治癒したり困っている人々の願いを叶えることが出来たといわれている。』
☆【オカルト】
巫という漢字は中国のシャーマン(日本の巫女に相当する)を表し、女性で神がかりに
なる者を表すことを知っている。いわゆる神霊と交わる呪術師。
村川『君達は、旅行客?』『僕は村川。僕も元々はこの集落の人間じゃ無いんだ』
『仕事と趣味を兼ねた旅行でこの辺にきたんだけど、偶然山道で美しい女性を見かけてね、それが瑛子
さんだったんだ。それでここに寄ってみたら、村の人もとても親切だし、ここが気に入って住むことに
したんだよ』
『仕事はもういいんだ。どうでもいい。彼女のそばにいれるならそれで』
『僕の人生の中でこんなに幸せなことは今まで無かったんだ、瑛子さんは僕の全てなんだ。彼女に選ば
れることが出来たら、僕はもう…』
村川は恍惚な表情を浮かべている。
『選ばれる?それは…彼女と一つになるってことだよ…ははは』
『ここには車で来たよ。その車?さあ、どこかに保管してくれているんじゃ無いかな?どっちみち僕は
もうここから出る気は無いから必要ないよ』
『鍵?そういえば見てないなあ』
『そろそろ書き物をする時間だから、いいかな?』
@月子の部屋
※瑛子が夕食の準備をしている間に入ることが出来る。
部屋に入ると月子が床に人形を並べて遊んでいる。
・部屋の様子
子供部屋にしては広めの和室、小さな机、本棚、おもちゃが入った箱、タンスなどが置いてある。
☆床に【目星】部屋の隅に四箇所の凹みがある
【アイデア】同じような小さな机が長い間置かれていたのではないかと思う。
・小さな机
色鉛筆や画用紙が置いてある。
・本棚
昆虫図鑑や動物図鑑などが並んでいる。
・おもちゃが入った箱
人形やぬいぐるみが入った箱。そのどれもが使い古されている。
☆【目星】一番底に、破れた写真を見つける。白い着物を着た二人の少女が並んでいる、その間には
黒い衣装を着た人物が写っているが、胸元から上は破られている。
【アイデア】白い着物は襟が左前になっており、それは死装束を意味することを知っている。
資料室の写真を見ている場合は、同じ衣装だと気付く。
少女の顔は二人とも月子にそっくりだ。
・タンス
子供服が入っている。
☆【アイデア】子供一人にしては服が多いなと思う。
・月子の様子
人や動物の形をした人形と小さな鍋を並べてママゴトをしている様だ。
『はい、これどうぞ!』と言って女の子の人形を渡される。
★渡された人形に【目星】使い古された女の子の人形、首の後ろに『星子』と名前が書かれている。
『オトモダチは一人ずつこのお鍋の中に入ってください、はい、次はPCの番だよ』
*?どうして外の人と話したらいけないのか
『お母さんが、そういってるから』
*?星子って誰?
顔を強張らせて、少し驚いたような顔をしています。
『いなくなっちゃった…お姉ちゃん』『お姉ちゃんいなくなって、私はフコサマになるの』
『わかんない』
※情報が出たタイミングでノックがして部屋に瑛子が様子を見に入ってくる。PCを退出させる。
『月子がお部屋であそびましょってお願いしたの。』
◆イベント 二日目の夕飯
時間通りに客間に行くと、夕飯が用意されている。
献立は炊きたてのお米、味噌汁、畑で採れた野菜をメインにしたおかずが数種類の素朴な田舎料理。
瑛子『昨日のお鍋に比べたら地味ですけど、野菜たっぷりで美味しいですからたくさん召し上がって
くださいね。明日は山菜を取りに行こうと思ってるんで、夕飯は天ぷらにしようかと、楽しみにして
いてくださいね』
☆シラフの探索者のみ可能【聞き耳-30】食事中の苦味を感じた。(蠱毒によるもの)
※蠱毒をかけられた探索者は自室に戻った段階で症状が進行。別メモ参照。
◆イベント 二日目の夜中 上田の逃走
★上田の隣の部屋で寝ているPCは【聞き耳】を振る。
成功で隣の部屋から物音がして襖が閉まる音が聞こえた。
*?気にしない
朝起きると上田の姿が見当たらない。
*?起きて部屋の外の様子を見る
部屋から上田が居なくなっている。※すぐに追いかける、という宣言があれば集落へ歩いていく上田の
姿を捉えることが出来る。【追跡】で後を追うことも出来る。
上田は明かりも持たずに鍾乳洞へと入っていく。PCが何も行動しなければどんどん進んで行く。
★【聞き耳】
『くちゃ…行かな…くちゃ…』とブツブツつぶやいている。
*?話しかける
こちらの方を見向きもしません。※テレパシーの影響下にあるため
止めるには【組み付き】か【言いくるめ】【精神分析】
成功すれば鍾乳洞に行くのは止めるが、以降はこの村にずっといたい、と言いだす。
★夜POW対抗ロール
@三日目 6/18(旧暦5/5) 自由探索
この日は集落の人達と山菜を取りに出かけるからお昼はおにぎりとか適当に作って食べて下さいと
言われる。なので瑛子は夕方まで不在。
『早く道が復旧するといいですね。』
『私は、外の人とお話しできるのは楽しいので、嬉しいですけど。皆さんは早く帰りたいですよね』
※蠱毒をかけられた探索者は症状が進行。別メモ参照。
※現状で探索者が取るべき行動指針
・上田が失踪している場合、上田を探す
・車を探す
・蠱毒の解毒方法を探す
*?月子が探索者の体調を気にかける素ぶりも演出する。今夜がリミット感をアピール。
『具合悪いの?月子、お姉ちゃんたちに死んで欲しくない。』
@石碑
お祈りをする住人を眺める月子と遭遇。
『お祈り見てるの』
*?具合の悪い探索者の顔を凝視する月子
*?どうしたの『ううん、なんでもない』
腹痛の症状が出ていれば
『お腹痛いの?』
『月子のこと、信じてくれる?』『月子が助けてあげる、だって月子の大事なオトモダチだから』
*?信じない
悲しそうな表情を見せ『お母さんが言ってること、うそなの』と言って走り去る。
または『…何を食べたかわからなくなって、お腹もチクチク痛いでしょ』
『変な夢を見る頃にはもう遅いんだよ』
*?月子を信じる
今日の0時前に私のお部屋に来て、と言われる。早すぎても遅くてもダメ。時間厳守を念押しされる。
(18日の間に反魂返しを行わないと呪いが成立してしまう。)
@瑛子の部屋
☆部屋【目星】扉の内側に鍵がついている。
板張りの部屋で、化粧台、ベッド、サイドテーブル、本棚、タンスなどが置いてあり、壁にはカレンダー
が貼ってある。
・化粧台
ラベルがないガラス瓶に入った液体やクリームなどが置いてあり、化粧水などを手作りしている様子が
伺える。
・ベッド
シングルベッド
・サイドテーブル
引き出しがついた小さな木製のテーブル、ランプが置いてある。
引き出しの中には細々した小物類が入っている。
☆引き出し【目星】引き出しの底面に厚地の赤い生地が貼ってあり、端っこがめくれている事に気がつ
く。めくると鍵が隠してある。※車のキー
・カレンダー
ぱっと見は普通のカレンダーだが、よく見るとそれは新暦と合わせて旧暦も書かれた物だ。
過ぎた日には赤ペンで射線が引かれている。※6月18日の箇所は旧暦の五月五日。
・タンス
女性用の服が入っている。
・本棚
読書家なのだろう、ジャンルはごった煮。物語小説や歴史の本、漢方の本など様々だ。
@物置
鍵がかかっている。☆【鍵開け】可能 鍵の耐久値4
扉を開けると、カビのような、湿り気を帯びた臭いが鼻を突く。そこは物置と呼ぶには少し違和感を感
じる部屋だった。※部屋は暗いです。
細長い部屋の壁沿いに棚やかなり年季の入った作業机の様なものがあり、たくさんのガラス瓶や、乳鉢
燭台などが乱雑に置かれている。そして部屋の奥には、大量の大きな壺が積み重ねられている。
・作業台
ガラス瓶は何かの液体で満たされた物、何かの生き物だったモノが入れられたホルマリン漬けのような
もの、乾燥した植物や種のような物が詰まっていたり、干からびた虫のようなものが入っているのもあ
る。
☆【目星】手のひらサイズの壺に黒い灰のような粉が入っており、そこに細い棒が刺さっていてその
先端に人の形をした紙が刺さっている物がたくさん置いてある。探索者はそのうちの一つに、赤い文字
で自分の名前が書かれているのを見つける。まるで何かの不気味な儀式に自分の名前を見た探索者は
【SANチェック0/1】
更に紙の裏側には同じく赤い文字で『舌盗、疝、蛆夢、噴血死』と書かれていることに
気が付く。※蠱毒の症状です。
・棚
木箱と古そうな本がたくさん並べられている。
漢方や薬膳に関する本が多く、難しい漢字だらけのタイトルの本もある。
☆【図書館】成功で一際古そうな紐綴りの古書を見つける、中身は全て中国語で書かれている。
読むには【中国語】成功で@時間かけて本を読むことができる。失敗の場合2時間かかり、単語しか
読めない。
*?本のタイトル『巫蠱の掟』
『旧暦の五月五日は五毒出没の日と呼ばれ、毒蛇、ムカデ、トカゲ、サソリ、ガマガエルなどの
禍々しい生き物が活発になり地上に湧き出す毒日である。蠱毒厭魅を執り行うのは必ずこの日で
なくてはならない。そして必ず次の年の毒日までに呪詛を執り行わねば巫蠱は大いなる代償を己の
命を持ってして払うことになる。』
☆【アイデア】旧暦の五月五日までに呪詛=人を呪い殺さねば、呪詛をかけた人間が呪いがえしで
死んでしまうということなのでは?人をのろわば穴二つ、というやつか?
『端午? 五毒就是 蝎子、毒蛇、蜈蚣、壁虎、蟾蜍,民???五月是五毒出没的??,所以古人制五
毒?刺之,以求?除?病 所以蠱毒厭魅令。』
・木箱
黒い布が畳まれて入っている。広げると装飾のついた黒い羽織のような服だ。
☆【アイデア】資料室の写真を見ていれば同じ衣装だと気付く。
・大量の壺
茶色い陶器の壺で、全てに蓋がされている。壺の表面には何かレリーフのような模様が施されており
近くで見るとそれはムカデを象ったものだった。
★【聞き耳】ズリズリ、と壺の中から何かが擦れ合う音が聞こえた。
・蓋を開ける
中を覗くと、黒い水が波打っている、いや蠢めいている。水のように錯覚したそれは黒光りする無数の
ヤスデだった。壺いっぱいに詰め込まれた大量の節足動物が波打つように蠢めいている。
グロテスクなものを目撃した探索者は【SANチェック0/1】
@山野家 納屋
観音開きの大きな木製の扉には南京錠がしてある。裏手に回ると小さな木製の扉があり、閉まっている
が鍵は無く木の棒を引っ掛けてあるだけだ。
・南京錠【鍵開け】可能、扉自体劣化しているので力づくで壊すこともできる【STR対抗】
中は暗い、壁沿いを探すとスイッチがあり、押すとオレンジ色の豆電球がついて部屋全体をぼんやり
照らす。農耕具が並べられており、奥には何か大きなものにビニールシートがかかっている。
・ビニールシート
めくると、5人乗りの車がある。ドアはロックされている。
助手席には『中国文学』という本と地図があるのが見える。
@上田失踪の場合 鍾乳洞
*?第二洞に上田の靴が落ちています。クトーニアンとの遭遇場所まで行くと、体液を吸われ干からびた
ミイラに成り果てた上田を発見する【SANチェック1/1d6】
※朝まで上田を捜索しなかった場合、上田ロストになります。
@イベント 三日目の夕飯
昼間取ってきた山菜を天ぷらにしてみたんです。どうぞ、といって夕飯が出る。
その際に『そういえば夕方くらいに警察の方から電話があって、明日には道が復旧するそうですよ。
よかったですね』と言われる。※瑛子の嘘。
@夜 月子の部屋に向かう
*?中庭には山野敦史がいて探索者を監視しています。
隠れながら向かう、等の発言があった場合技能を振らせる。
普通に向かう場合、★【聞き耳】失敗すると不意に敦史と遭遇、移動を阻止される。
その場合は戦闘になる寸前に月子が後ろから角材で殴って敦史を気絶させる。
『早く!急がないと!』
『はい、これを飲んで』
月子から茶色い小瓶を渡される。
匂いを嗅ぐと、ドクダミのような独特な青臭い臭いがしている。
『一気に飲み干してね』飲み干すと『これでもう大丈夫だよ』立ち上がろうとすると、急に体の中心が
燃えるように熱くなり、体がふらついてその場に倒れこんでしまう。
薄れゆく意識の中で★【聞き耳】『ふふ、オトモダチは月子の物なんだから』という微かな笑い声が
聞こえた。
探索者が目を覚ますと、そこは月子の部屋。外は明るくなり始めている。
部屋を見回すと月子の姿は無い。
※この時点で瑛子は呪い返しにあい、死んでいます。瑛子の部屋に行けば、苦悶の表情で死んでいる
瑛子の死体を嬉しそうに眺める月子の姿を目撃するでしょう。
瑛子の死体は、死ぬ直前によほど痛み苦しみ悶えたのか、瞳孔は開ききり、口は大きくひん曲がった
まま、髪の毛は乱れ自分で抜いてしまったのか所々ハゲている。
凄惨な死体を見たことによる【SANチェック1/1d4】
◆エンディング分岐
@車で脱出する
シャッター(耐久値18)が閉まっている場合、体当たりしなくてはならない。
瑛子の部屋で発見した鍵を納屋の車に差し込むと、エンジンがかかった。
エンジンの音を聞きつけ、山野親子と数十人の村人が車の前に立ちふさがります。
手にはそれぞれクワやナタ、鎌などを持っているようだ。
・瑛子が死んでいる場合
『お前ら…この余所モンが、あちこち詮索しおって…余計なことを!』
『貴様ら…瑛子様の仇!!!生きて帰れると思うなよ!!!』
・瑛子が生きている場合
『瑛子様のためだ!!絶対に逃すな!!!』
車を止めようと、【山野+1d10】人の村人が立ちふさがる。
*無理やり車を発進させる場合
【運転】に成功することで、1d3人分の村人に3d6のダメージを与えて轢き殺すことになる。【SAN
チェック1/1d6】
失敗で、木に激突し車体は2d3のダメージ、乗っていた者は1d3のダメージを受ける。
※【運転】に二回成功すれば逃げることが出来る。
探索者は立ちはだかる村人たち目がけてアクセルを踏む、ドンっという鈍い衝撃がハンドルから全身に
伝わる。ぐちゃっごキッという骨が砕ける音がしたが、あなたの足はべったりアクセルにへばりついて
離れない。
村の入り口を出る瞬間、ふと見たバックミラー越しに黒い羽織を着た月子の姿が遠くに見えた。
どんな表情でこちらを見つめているのか、確認することもできず、いや、している暇など無い。
無我夢中で、巨大な凶器と化した車体を走らせた。
★【ナビゲート】または【幸運】成功 →エンディングAへ
◆エンディングA
条件
・探索者全員&上田が無事に生還
・蠱毒の呪いを解いている
あなたたちは夢中で山道を走り抜け、幸運にも舗装された道路に出ることが出来た。
数日前に通った道路とは違うようだが、とにかく車を走らせると本来の目的地であった温泉地方面への
看板を見つけることができた。
そうして無事に温泉街へとたどり着いたあなた達は、車を降り、観光客で賑わう町の様子を見て、安堵
感からその場に力なく崩れ落ちるだろう。緊張の糸がプツリと切れてしまったのかもしれない。
あの村での出来事は、一体なんだったのか、悪い夢でも見ていたのではないか。
一連の出来事に悪寒が止まらない、だが、自分たちは無事に生きて戻ることができた。
その事実をじっくりと噛みしめるには、もう少し時間がかかるかもしれない。
その時『月子と解毒イベントを体験した探索者』は自分の服のポケットに何か紙切れが入っているのに
気付く。広げて見てみると、子供の字で『ま た ね』と書いてあった。
後日、あなた達の告発によりあの集落に警察の捜査が及んだ。だが、その結果は予想だにしないもの
だった。『集落は無人だった』生活の痕跡すらあれど、人っ子一人見つけることは出来なかったらし
い。
『ま た ね』の文字が脳裏をよぎる、きっと、彼女は諦めていないのだ。
@クリア報酬
・SAN回復 1d6+1d4
エピローグ
◆エンディングB
条件
・探索者生還、上田がロスト
・蠱毒の呪いを解いている
あなたたちは夢中で山道を走り抜け、幸運にも舗装された道路に出ることが出来た。
数日前に通った道路とは違うようだが、とにかく車を走らせると本来の目的地であった温泉地方面への
看板を見つけることができた。
そうして無事に温泉街へとたどり着いたあなた達は、車を降り、観光客で賑わう町の様子を見て、安堵
感からその場に力なく崩れ落ちるだろう。緊張の糸がプツリと切れてしまったのかもしれない。
それと同時に、『大切な友人を永遠に失った』という事実があなた達に重くのし掛かる。
あの村での出来事は、悪い夢でもなんでもない、まごうことなき事実なんだ、と。
その時『月子と解毒イベントを体験した探索者』は自分の服のポケットに何か紙切れが入っているのに
気付く。広げて見てみると、子供の字で『ま た ね』と書いてあった。
後日、あなた達の告発によりあの集落に警察の捜査が及んだ。だが、その結果は予想だにしないもの
だった。『集落は無人だった』生活の痕跡すらあれど、人っ子一人見つけることは出来なかったらし
い。『ま た ね』の文字が脳裏をよぎる、きっと、彼女は諦めていないのだ。
悪夢はまだ醒めてはいなかったのだ。
証拠もないためあなた達が友人の死について関与を疑われることはなかったが、世間の好奇の視線
や最愛の家族を失った遺族からの重圧がこの先長い間あなた達を苦しめることになるかもしれない。
@クリア報酬
・SAN回復 1d6
◆エンディングC
条件
・探索者全員&上田が無事に生還、または上田ロスト
・蠱毒の呪いを解いていない
◆エンディングD
条件
・探索者がロスト
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