クトゥルフ神話TRPGシナリオ


黒野ネロ作


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【推奨人数】1人〜3人
【所要時間】3時間〜
【推奨技能】聞き耳 目星  医学 薬学 鍵開け 図書館
【シナリオ形式】クローズドシナリオ+少し屋外
【シナリオ舞台】現代、オカルトサークルのメンバー <ニエノモリ> (登場人物) ・守矢 瑶(よう)  …ハツの孫娘。24歳 ・守矢 利家  …守矢家当主、大地主。免疫学者であり、妻とは死別一人娘のハツがいる。    ハツの病気を治すために治療の研究に没頭している。   それに付け込んだヘビ人間に利用され生贄を集める手伝いに加担している。    見返りとしてイグから様々な毒や免疫の知識、治癒の呪文を教えられている。         ・守矢 ハツ  …利家の一人娘。虚弱体質で病を患っている。98歳/16歳 ・守矢 円(まどか)  …ハツの娘、瑶の母親。享年45歳 ・塞 巳津男(さい みつお)  …利家の助手。正体はヘビ人間。 ・川中島しの…近所の世話焼きおばちゃん ◆導入パート(現代) @探索者たちは職業や趣味のオカルトマニアで、以前から交友のあった守矢 瑶(NPC)の実家がある田舎に訪れる計画を立てていました。 というのも、彼女の実家である守屋山近郊の村では古来からミシャグジ様と呼ばれる土着の神様を崇める風習があった。 その界隈の大地主であり、ミシャグジ様を祀る神社の建立に携わったとされる守矢家がミシャグジ様から授かったとされる宝物を代々守っており、 それを目当てに全国から信者たちやオカルトマニアたちが訪れるその界隈では有名な場所だからです。 なぜそこまで有名かというと、近年、村人や観光客が行方不明になる事件が続けて起こっているらしいという噂が広まっているからでした。 (調べてみると何十年も前から続いているようだったが、神隠しとして処理されていた) 探索者たちは友人である守矢 瑶に招かれてこの村にやってきます。 かなり山奥。最寄り駅からバスが2時間に1本しかないので、 瑶が駅まで迎えにくる手筈になっています。 探索者たちの乗った電車は都市部からどんどん田舎へと進んでいきます。田んぼと畑、たまに民家。 そしていくつものトンネルを抜けかなり山奥にきたところで電車は止まりました。 そこは村の最寄駅で、木造の小さな待合所(ボロボロのベンチに屋根があるだけの)と切符入れがあるだけの、小さな駅です。 探索者たちが電車から降りると、瑶が白いミニバンの前で手を振っているのが見えました。 『こっちこっちー!ど田舎にようこそ〜』といった具合で会話して下さい。愛想のいい明るいキャラクターです。 車が走りだすと、瑶が切り出します。 『実はさ、おばあちゃんが突然亡くなっちゃってさ。老衰っていうのかな、朝起こしに行ったら眠るように亡くなってて。 お葬式とかでバタバタで、こっちは電波もネットもないし皆に連絡できなくってさ』 なので家の中がバタついていますが、気を使わないでね、という趣旨の内容です。 @上記以外で瑶との会話から得られる情報 *一通り情報が出たら屋敷に到着して下さい。 ・昨日帰家祭が終わったところ(神道式のお葬式の手順) ・祖母の年齢、名前。祖父はもっと昔に亡くなっています。 ・村の信仰神について→ミシャグジ様という土着の神様 ・守矢家に伝わる宝物について→守矢家はミシャグジ様から授かったとされる宝物を代々守っており、それを目当てに全国から信者たちが訪れていた。 宝物は普段は神社の祠にしまってあり、滅多に人前にだすことはなかった。『あとで見せてあげるからね!』 ・神隠しについて→瑶も詳しいことはわからないが、子供の時からおばあちゃんから聞かされていた。神隠しに合わないようお守りを肌身離さず持っていなさいって。 ・お守りについて→『今もしてるよ〜。今となってはおばあちゃんの形見になっちゃったし。ほらこれ』と言って首元からペンダントを出して見せてくれます。 白色の楕円形の石に目(エルダーサイン)のような模様が描かれたペンダントです。 ◆屋敷(現代) 通された客間には祭壇が設けられ、たくさんのお花お供え物、そして遺骨と遺影が置かれています。 瑶はちょっと待っててねーお茶いれてくる!といってどこかに言ってしまいました。 @祭壇 遺影にはやさしそうな雰囲気のおばあさんの写真が飾られています。 祭壇全体に『目星』成功で遺影とは別に故人の思い出の写真と見受けられるものが写真たてに入れて飾られていることに気付きます。 カラー写真に混じって一枚モノクロの写真があり、そこには優しい顔をしたスーツ姿の男性と、中学生くらいの少女が映っていました。 『目星(クリティカル)』の場合、その少女が瑶に似ているなと思います。 *瑶に尋ねると男性は瑶の曽祖父、少女は亡くなったばかりの祖母ハツだということがわかります。 しばらくすると瑶が例のもの持ってきたよ〜と言って戻ってきました、古い桐の箱に入ったそれは、青みがかった鉛のような色をした金属の立方体だった。 所々赤茶色いサビのような染みのようなものがこびりついています。 なんとも言えない不思議な魅力がありますが、全体的にひび割れ、状態がよくないことがわかります。 不思議な魅力を持つその箱のような物に探索者たちは取り憑かれてしまったかのように魅入ります。 「実は直接見るのはこれが二回目なんだよね。触るのは初めてで、緊張するなー」 そして瑶が箱からそのキューブを取り出した瞬間、パキパキパキッという音とともに金属のヒビが拡大し、それは粉々に割れてしまいました。 その瞬間、探索者たちは自分の体の異変に気がつきます。手足の先から砂がこぼれるように粉々になって消えていきます。 *『聞き耳』判定で、時空に引き込まれている時に獣の唸り声or悪臭に気づく。 そして次の瞬間、強い光が探索者たちの意識を奪いました。 ◆過去1935(昭和10年) @屋敷内は、ハツが所持している魔除けの石によってティンダロスの猟犬が出現出来ないようになっている。 一歩外にでると襲いかかってきます。ハツが一緒の場合は襲われない。 ◆探索パート(過去、お屋敷) @客間 フワッ… 微かに鼻腔をくすぐる、い草の香りで探索者たちはぼんやりと目を覚ます。*DEX順 いつのまにか畳の上で寝てしまったのか。体が重く、すぐに起き上がる事が出来ない、節々が痛む、同時に酷い頭痛がする。吐き気を催す。 探索者たちは先ほど自分の身に起こった事を思い出しSANチェック(0/1D6)、CON、POWを1減らしてください。 ゆっくりと上半身を起こして辺りを見回すと、あなた以外の他の探索者たちも倒れています。 *瑶がいなくなっている、宝物も無くなっている。 *部屋を見回す→8畳ほどの畳の部屋だ。床の間には掛け軸や生け花が飾られている。 遺影や遺骨などが無くなっている。 *『目星』成功で間取りの感じから、さきほどまで居た客間と同じ部屋のようだと思います。 =イベント1= 探索者たちがヤイヤイ言うてると、襖の向こうから『どなたかいらっしゃるの?』という女の声が聞こえた。 姿を現したのはおさげ髪の少女だった。*モノクロ写真を見てれば『アイデア』で同じ少女と気づきます。 『あら…もしかして新しい使用人の方たちかしら?ごめんなさい、お父様から時間のことを聞いてなくて。』 *ハツについてわかること ・名前、年齢、家族構成、母親はハツを産んで亡くなった ・体が弱く学校には行っていないこと、ただ最近は調子がいいこと(免疫系の病気ということは知らされていない) *屋敷に住んでいる人について ・利家、ハツ、助手の塞 巳津男、ex使用人 *父親について ・唯一の肉親。免疫学者。いまは出張で出かけているが明々後日に帰ってくる。 *塞について ・父の助手。非常に賢く優秀らしい。半年前くらいに父が連れてきた。巳津男が来てから研究の成果が出始めた。  直接話したことはあまりない。 *使用人について ・前にいた使用人たちは山菜採りの最中にヘビに咬まれて死んでしまったらしい。→利家がイグに生贄を捧げているところを目撃してしまった。 あなたたちも気をつけてね。何かあったら巳津男さんが薬を持っているかも。 *いまについて ・今が昭和10年(1935年)だということがわかる。 理解しがたい状況にSANチェック(0/1D6) *探索者たちがタイムスリップについて聞く ・全く理解してくれない *あまりにしつこいとハツの探索者たちに対する信用度が下がります。 ある程度会話が進むと、『お部屋に案内するわね』と言って移動します。 @使用人室 ハツに連れられて先ほどの和室の隣の部屋に案内されます。 二畳半ほどの狭い部屋の右側に二段ベットが置いてある。あとは小さな物書き机があるだけの簡素な部屋だ。 『行李の中に着替えがありますから、自由に使ってくださいね。それからこれは家の見取り図です。 お父様の仕事場は鍵がかかっているのでお掃除しなくて大丈夫です。仕事道具を他人に触られたくないみたいで。』 『私は部屋に戻って休みますね。今日はゆっくりして、明日からよろしくお願いします。』 これ以降、探索者たちは自由に屋敷内を探索できます。 ただし、外に出る、という行動をとった場合はイベント2へ進んでください。 =イベント2= 探索者たちが屋敷の一歩外へ出ると、強制的に聞き耳ロールとなります。 聞き耳に成功した場合で、更に導入部でも聞き耳に成功しているものは同じ臭いだと気付いていいでしょう。 ・成功→異臭に気がつきます。それは鉄錆の臭いと、生物が酷く腐った臭いが混じったような何とも言えない悪臭です。 ・失敗→何も気づきません。 どこからともなく煙が漂ってきます。それと同時に『ヴヴヴヴヴ…』という地鳴りのような獣のような低い唸り声が 聞こえてきました。探索者たちは本能的にここが危険だということを悟るでしょう、今すぐに逃げなければ、と。 *この間にすぐ建物内に入るという行動を取ればセーフですが、命の危険を感じるほどの怪現象に遭遇し<SAN>チェック(0/1D3) 外に居続けた場合はティンダロスの猟犬との戦闘になりバッドエンドBとなります。 ◆1日目に起きる強制イベント @夕方になると、街から戻ってきた塞に出会う。探索者たちにかなり驚いている(違う次元から来たと気づいたから) 「君たちは誰だい?」 「私は塞 巳津男といいます。住み込みで利家さんの助手をしています。」 「私の部屋も掃除は自分でするので結構ですよ。」 @夜、探索者たちが部屋で休もうかというタイミングで塞が訪ねてくる。 「お話したいことがあるのですが、よろしいですか?あなたたちがこれからお嬢様のお世話をして下さるということなら  知っていて貰わなくてはならないことがあるのです。ただ、くれぐれも本人には内緒にしてください。」といった感じで。 *内容 →ハツは持病があり、容態は実はあまり良くなく、新しい薬を試す必要がある。その薬を飲ませるように利家に頼まれているが 自分は嫌われているため、代わりに飲ませてくれないかという要件だった。(本当は血清をハツに飲ませるため。ヘビ人間は血清を飲んだ人間を操ることが出来る。) 探索者はガラスの小瓶に入った液体を受け取ります。*無色透明、臭いを嗅いでみるとほんのり甘い香りがします。 *なぜ嫌われているのか →自分が利家の助手になってから利家は益々仕事にのめり込み、ハツに構ってやれなくなったので塞にヤキモチを焼いているから(塞の嘘) ・2日目…探索者たちに好意的な態度をとる。薬の件お願いしますね、といった感じで。 ・3日目…探索者たちが薬をまだ所持していると言った場合、かなり急かしてきます。彼に疑いのある態度や攻撃的な態度をとった場合、本性を現します。 @夜になると、川中島しのという近所のおばさんが夕飯をつくりにやってきます。 *いわゆる近所の世話焼きおばさん。ハツのことを心配して毎日様子を見にきてくれています。 新しい使用人が来るなんて聞かされてないんだけどねえ?といって最初は戸惑っています。 *ハツについて →子どもの頃からたまに面倒を見ている、娘のような存在。 *利家について →ハツの病気を治そうと必死で研究に没頭している。もともと人当たりの良い感じのいい人だったが、最近は研究に没頭しすぎているせいか 研究室に閉じこもりがちで、ろくに食事もとらなくなった。顔色も悪くなっている。 *塞について →「学者さんてのはみんなあーなるのかねえ?あの人も全然食事をとらないんだよ。青白くて細くってさ。私の肉をわけたいくらいだわ〜!」 愛想が悪いし、ほとんど会話したことない。 @書庫  3畳ほどの広さの書庫には2つの本棚があり、ぎっしりと本が並べられている。 一つの本棚に対し調べるのに1hかかる。どのような本を探すか申告し、『図書館』に成功で15分で調べられる。 『守矢家の歴史』『ミシャグジ様信仰』が見つかる。 *『守矢家の歴史』→本というよりは、紐で閉じられた帳面だ。読むと以下のことがわかる。 守矢家は代々続く大地主であり、元は守屋山を守護する地祇系(ちぎけい)の氏族である。と書かれている。 (地祇とは国土を治めていたとされる土着の神のこと) *『ミシャグジ様信仰』→紺色の表紙の冊子。字が達筆すぎるので『日本語』に成功で読める。 ・ミシャグジ様とは古くは縄文時代より人々に崇められている土着の神様である。特に守屋山地方での信仰形態が有名である。 病の治癒、安産、子育てなど生命力を司る神様として知られており、その姿は巨大な白蛇の姿をしていると言われている。 年に一度「七本の峰のたたえ」に降りてこられ、ミシャグジ様を祀っている神社の神主に憑依し宣託を下すと言われている。 @台所 野菜などが置いてある。 *ここは特にイベントなどはありませんが、探索者が望めば食べ物などが手に入ってもいいかもしれません。 @ハツの部屋 ベッドと衣装箪笥、本棚、机がある。 ・1日目…ベッドでハツが眠っている。無理やり起こすと好感度が下がる。 ・2日目…ベッドに入りながらハツが読書中。ハツに対して好意的な態度を取っていれば、以降探索者たちに協力してくれます。 @塞の部屋 *塞の帰宅前は部屋に鍵がかかっています。ナンキン錠なので『鍵開け』で開きます。帰宅後は部屋に塞がいます。 6畳ほどの板敷きの部屋です。勉強机に、難しそうな本が並んだ本棚、大きな作業台の上には専門的な実験器具のようなものが 所狭しと置いてあります。素人目には何をどう使うか検討もつかないでしょう。部屋の隅には簡易ベッドもあります。 ・ベッド  薄い布団がしいてあるだけの簡素なベッドです。寝心地は決して良いとはいえなさそうです。  『目星』成功でベッドの下にがネズミ捕りが何個も置いてありました。(へびはネズミを捕食するので、暗喩です) ・勉強机  引き出しがついた勉強机です。机の上にはノートや資料などが乱雑におかれています。  引き出しの中もあまり綺麗とはいえません。『目星』成功で引き出しの奥から鍵をみつけます。*利家の仕事場の鍵です。 ・本棚  専門書が並んでいます。日本語では無い言葉で書かれた本がたくさんあります。見たことも無い文字です。  *『図書館』成功でドイツ語の本を見つけます。『ドイツ語』or『医学マイナス20』に成功で免疫疾患や遺伝子について、かなり詳しく細かく記載された本  だということがわかります。クローン動物についての記載や、様々な毒薬や毒物についての記載もありました。 ・作業台の上の実験器具  *『目星』成功で「液体が入った試験管」を手に取ります。 ・試験管→液体そのものは無色透明ですが、臭ってみるとかすかに甘い香りがしました。  *塞から薬を受け取った後であれば『アイデア』で同じ香りがすることに気付きます。『薬学』をもってしてもこれがなんの薬は判別不可能です。   @利家の仕事場 *鍵がかかっています。鍵は塞の部屋にあります。 部屋に入ると、床に大量の書物や書類がうず高く積まれているのが目に入ります。 中央には大きな作業台があり、専門的な器具が所狭しと並んでいます。 ・床の大量の書物 どれも医療関係の本のようです。全ての本がかなり読み込まれているように感じます。 *『目星』で本の山の一部に最近動かしたような形跡があるのを見つけます。どかしてみると、床下の扉を見つけました。 ・作業台 ビーカーやフラスコなどの専門器具が乱雑に置かれています。 ・床下の扉 人一人がやと通れるほどの扉を開けると、地下に続く石造りの階段が現れました。中は暗く、階段の奥がどうなっているかは判別できません。 *階段を下っていくと、空気がひんやりしていくのがわかります。先頭をいく人は階段は非常に滑りやすくなっていいるので、<DEX×5>で対抗ロールをします。 失敗すると滑って転んでしまいます。1D2のダメージです。 階段を降りきると、その先はトンネルのようになっています。150cmほどの高さです。 *トンネルを進んでいく途中で『聞き耳』を振ってください。成功で「誰か!誰かいないの」という微かな女性の声が聞こえてきます。 それは壁の反対側から聞こえてくるようです。 @地下の部屋 トンネルを進んでいくと、多少開けた空間に出ることができました。石造りの小さな部屋のようです。 文机(ふづくえ)が置いてあり、周囲には敗れた紙切れが散らばっています。どれも赤い染みのようなものがべったりとこびり付いていました。 それは大量の乾いた血だということが素人目にもわかります。SANチェックです(0/1) 部屋の隅には何かが積まれています。*衣服です ・文机 引き出しの中に『バラバラになった日誌のようなもの』が入っていました。  ・『やぶれた日誌』  「6/9 再検査のためハツを病院に連れていく。だがやはりここでも結果は同じだった。不治の病だなんて…どうしてハツが…   代われるものならば代わってあげたい。」  「2/28 あれから色々な薬を試してみたが効果はない。やはり駄目なのか。亡くなった妻に申し訳がない、ハツのことは命にかえても守ると約束したのに。   なにか他に方法はないのか、どんなことでもいい、私の命を差し出しても構わない。ーーーあの子まで失いたくない。」  「1/18 今日から助手を迎え入れることにした。塞 巳津男という男だ。以前から私の論文を読んでくれていたらしい。経歴も素晴らしい、彼の研究成果を   見せてもらったが、免疫学の知識も相当なものだ。頼もしい助手を得て、これから益々研究が捗るだろう。」  「2/25 私は、ハツのためなら何でもする覚悟だ。愛する娘のためだ…だが…恐ろしい考えが私を支配しようとしている…。人の道を外れて」  「3/2 今日街で出会った貿易商から、世にも珍しい品々を譲り受けた。見た目はただの金属の四角い箱のようだが…物凄い力を秘めた   ものらしい。どうやら私の望みを叶えてくれる代物らしいが…。もう一つの首飾りは異国の縁起物らしい。ハツにあげると、とても喜んでくれた。   最近仕事ばかりであの子に何も構ってやれなかったから、笑顔を見ることができて良かった。   しかし何とも不思議な男だった。まるで私の悩みを全て見透かしているような…。」   震えた文字「なんということをしてしまったのだ。あの箱はこの世の物ではない。どこからともなく人が現れて、そして…。」 *以降のページは、赤い染みのようなものが紙全体にこびりついており、走り書きのような、狂気じみた文字になっている。  『日本語』成功でかろうじて読める文字をひろえます。「贄だ、贄、贄、贄!!!!!捧げなければならぬ!!!」  訳のわから無い文字の羅列に波線のような象形文字ようなもの、そしてバラバラになった人間のようなもの、血文字で「ミシャグジ様」 *紙面から伝わってくる猟奇的な光景に背筋がぞっとします。SANチェックです(0/1) ・衣服の山 積まれていたのは衣服のようです。どれも大量の血で赤く染まっています。SANチェックです(0/1D2) 『アイデア』成功で大人ものの服や子供用のものもあることがわかります。 『目星』成功でこの時代には存在するはずが無い、若者に人気のブランドの服をみつけます。 @茶の間 畳の和室です。掛け軸とお花がかざってあります。 ・掛け軸 大きな木に白い大蛇が巻きついている絵です。 @蔵 *蔵は屋外にあるため、ハツか瑶が一緒でないとティンダロスの猟犬に襲われます。 埃っぽい古い蔵です。照明はないので中は真っ暗です。*探索には明かりが必要。 掃除用具や米、酒、家財道具などが乱雑に保管されている。 『目星』で縄ばしごが見つかります。 @井戸 深さ10m 今は使用されていない井戸のようだ。中を覗いてみると瑶がうずくまっています。 *蔵にある縄ばしごを使って助けることが可能です。 怪我をしているので『医学』or『応急手当』で回復させる必要あり。 *魔除けの石を持っていたので、石の効果が働いて安全な井戸の中に飛ばされた。 *以降は共に行動が出来るようになります。ただし、ハツが自分の祖母だとわかってしまうと瑶はSANチェックになります。(1/1D6) ハツと瑶がお互いに出会って、関係性を知ってしまう場合ハツもSANチェックです。 ・瑶の持ち物 携帯電話、魔除けのお守り @ミシャグジ様の祠と峰たたえの木 屋敷の裏側の山道を登っていくと、鬱蒼とした森の中で少しひらけた場所に出ました。 そこには一際異彩を放つ大きな木がそびえ立っていました。太い幹の根元にはウロがあり、しめ縄が飾られています。 ・ウロ ウロの中を覗いてみると、何か奥にあるのを見つけます。 取り出してみると、それは正方形の木の箱でした。ふたを開けてみると、中には見覚えのある金属のキューブが入っていました。 瑶のセリフ「提案があるんだけど…私がキューブを触るから、みんなで手をつながない?また離れ離れになったら嫌だし」 「じゃあみんな、いい?お願い…私たちをもとの時代に帰して!!」 その瞬間、探索者たちの立っていた地面が無くなり奈落の底へハイスピードで落ちていくような感覚に包まれます。 目の前が徐々に暗くなっていきます。 薄れゆく意識の中で瑶と手をつないでいた探索者はあることに気づくでしょう。握っていた瑶の手が、砂のようにサラサラと形を崩し あなたの手からこぼれ落ちてゆく様に。そして彼女の姿が空に消えていこうかという瞬間に、あなたたちは完全に意識を失いました。 →トゥルーエンドへ ◆塞との戦闘 塞の本性ヘビ人間…STR11/CON8/SIZ10/ INT17/ POW13/ DEX13 /耐久力10 /装甲1ポイントのウロコ 噛みつき35% ダメージ1D8+毒(CONと同じ) /正気度ポイント0/1D6 『瑶かハツのお守りを投げつける』成功で1D4のダメージ セリフ例「大人しくいう事を聞いていればいいものを…こざかしい」 「下等生物のくせに生意気な」「偉大なるイグ様の生贄となれること、喜ぶがいい!」 倒される時「イグ様ああああ!!!!!」といって消えていきます。 ◆クリア条件 塞を倒し、祠に隠してあるイスのキューブを見つけて瑶と共に現代に無事帰ることが出来ればクリアです。 ◆エンディング *トゥルーエンド ・塞を倒す。 ・瑶と一緒に無事帰還する。 *塞を倒し、キューブを使って瑶と一緒に探索者たちは現代に戻ってくる。 目を覚ますと夕焼けに照らされた山道にいました。長い長い夢をみていたようです。猛烈な倦怠感と頭痛、吐き気が襲います。 あなたがたがあたりを見回すと、一緒に帰ってきたはずの瑶はそこにはいませんでした。 たまたま通りかかった地元民の車に乗せてもらい、夕暮れの山を降りる探索者たち。 そこは過去に探索者たちが行ったことが原因で、以前住んでいた世界とは少し異なる未来になっていた。 車に乗せてくれた地元民に聞いてみると、ミシャグジ様を祀る神社は存在せず、守矢家も村も第二次世界大戦で空襲にあい消滅していた。 瑶は消えてしまったのかもしれないーーー。 自分たちがしたことは正しかったのか? 夕闇と虚無感が探索者たちをじっとりと包み込む。 時空移動のダメージで心身ともにボロボロの探索者たちはそのまま近くの診療所に案内される。 『とても親切な先生だから、ちゃんと診てもらうといいよ』 『巴診療所』という看板のかかった小さな診療所だ。中に入ると見覚えのある、だが探索者たちの記憶している顔よりも 大人びた、白衣を着た優しい表情の女性が迎えてくれた。 『どうされました?』 END 瑶の生まれ変わりである。26歳くらいで女医になっている。 →利家とハツはイグの魔の手から逃げるように村を去っていた。お守りのおかげでイグは手を出すことが出来なかった。 利家は手に入れた知識でワクチンを作ることに成功し、ハツは無事に生きることが出来た。 *ノーマルエンド ・瑶と一緒に無事帰還する。 目を覚ますと、病院にいた。どうやらあなたたちは守矢家で意識を失い、様子を見に来た彼女の両親によって 発見されたらしかった。 一緒に病院に担ぎ込まれた全員が無事に意識を取り戻した事をあなたは後に知るだろう。 記憶は朧げで、曖昧でした。果たしてこれで本当に良かったのだろうか?生贄となる人たちを救う方法があったかも しれない、だが、いくら考えたところで答えはでない。 たったひとつ、無事に戻ってこれたという事実。その喜びをかみしめながら、ゆっくりと時間をかけて、あなた達は 日常生活に戻っていくだろう。 (宝物は割れてしまったが、瑶が落としてしまったということでお咎めはなし。) *バッドエンドA ・塞を倒すor倒さない ・ハツが死亡する。 ・瑶と一緒に帰還する。 キューブに触れると、突如床が崩壊し体が急降下するような感覚になった、 目の前は真っ暗だ、どこまでもどこまでも、奈落の底にハイスピードで 落ちていくような感覚。 探索者たちは思わずお互いの手を取り合うだろう。 強い光が探索者たちの意識を奪おうとした寸前、あなたは目撃するだろう。 閉じ行く視界の片隅で、塵のように消えていく瑶の姿を。 握った手は、まるで砂のようにこぼれ落ちていってしまった。 ーーーー目を覚ますと山中にいた。長い長い夢をみていたようだ。 一緒に帰ってきたはずの瑶はいなくなっていた。 たまた通りかかった地元民の車に乗せてもらい、山を降りる探索者たち。 そこは過去に彼らが行ったことが原因で、もう彼らが住んでいた世界とは異なる未来になっていた。 その昔、ミシャグジ様を祀った神社とその氏子である一族がこのあたりの土地を納めていた。 だが、当主の娘が病気で亡くなった日を境に、当主は姿を消し、行方不明に。守矢家は事実上没落。 ミシャグジ様の神主が神隠しにあった、そんな曰く付きの場所でオカルトマニアたちの間では有名な 心霊スポットになっているらしい。 あなたは自分達の行いが正しかったのかどうか、自問自答を繰り返す。 途方もない時間をかけて日常に戻っていくだろう、答えのない、不穏な気持ちを抱えながら。 *バッドエンドB ・探索者たちだけで屋敷の外に出てティンダロスの猟犬と遭遇する。 突如、暗い灰色の煙がどこからともなく漂いはじめた。それは濃い霧のようであったが、異様な臭いをともなっていた。 吐き気を催すような強烈な悪臭が鼻をつく、それにやられて目もピリピリと痛くなってきた。 そして次の瞬間、探索者たちは目撃するだろう。その煙のゆらぎの向こうに、青くヌラリと蠢くなにかが、あなたに向かって 飛びかかってくるのを。


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ー制作者クレジットー
シナリオ:黒野ネロ
NPC等の画:アワラギ
<HP管理者:アワラギ>





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